投資において、1%の重みを知ろう。
こんにちは、shiro-mameshibaです。
投資の神様バフェット氏曰く、「NYダウ平均は100年後には100万ドルを超える」そうです。
これを曲解して、現時点での下落(ダウ平均で数千ドルの下落)など、将来のパフォーマンスにほとんど影響ない、という全く誤った認識が横行しているようです。
とても簡単なことですが、今回はこの点について説明します。
今の1000ドルは、百年後の・・・?
例えば、2020年3月6日時点で、ダウ平均は直近最高値の29,568ドル→26121ドルまで、3,447ドル(-11.7%)の下落をきたしています。
これをもって、「将来、ダウ平均が100万ドルになるならば、現時点でのわずか数千ドルの違いなど、何の意味もない誤差に過ぎない」と豪語する方々がいます。
つまり現時点での数千ドルと、何十年後かの100万ドルを見比べて、わずかの差でしかない、というわけです。
これは、一見正しいように思えてしまいます。
しかし、本当にそうでしょうか?
1%の重み
上の図は、ダウ平均がいつか100万ドルまで上昇したときの推移を仮定したものです(値は対数表示)。
分かりやすいように、開始時点を30,000ドルにしています。
ある時点で30,000ドルだったダウ平均が、24,000ドル(-20%)まで一時急落しましたが、結局最終的には100万ドルまで上昇することが出来ました。
これを見ると、一見、30,000ドルと24,000ドルの差など殆どないのと同じ、どこで投資しても最終的に到達できる地点’(100万ドル)は同じなのではないか、と勘違いしてしまいそうです。
しかし、ちょっと待ってください。
上のグラフに、注意書きを加えてみましょう。
投資開始時点、ダウ平均が30,000ドルで投資した場合と、24,000ドルで投資した場合では、そのリターンは33.3倍 vs 41.6倍と、その差なんと8.3倍(20%)も違います。
これは考えてみればごくごく当然のことなのですが、投資開始時点の評価額が20%違えば、最終的なリターンもそのまま20%変わってきてしまいます。
例えば、キャッシュで10,000ドル(約106万円)を投資した時、基準価額30,000ドルの時点で投資した場合でダウ平均が100万ドルになった場合の資産は33万ドル(約3,498万円)ですが、基準価額24,000ドル時点で投資した場合では、最終的な資産は41.6万ドル(約4,409万円)となり、その差額は8.9万ドル(約943万円)も出てきてしまいます。
つまり、投資開始時点の僅か数千ドル(基準価格)の違いが、将来的には数十万ドルのリターンの違いになってしまうというわけです。
投資における1%の違いは、とても重い、ということがわかると思います。
ゴルフで言う、「一打の重みを知らないものは、プロになる資格はない。」というのと同じですね(笑)。
投資リターンは、タイミング✕資金力で決まる
長期投資ならたしかに誤差と言っても良い
ただし、1年に1回とか毎月1回とか、こつこつ投資を続けるという視点で言えば、少しの下落など、確かに誤差と行っても良いのかもしれません。
逆に、個別株投資をする人、(私のように)インデックス投資(ETFや投資信託など)でもタイミング投資で資金の投入を考えている人は、株価下落時の投資という作業が長期的に見ても非常に大きなリターンの違いになることはよく理解し、わずか数千ドル(数十%)の違い、などという言葉は決して使用してはいけません。
むすびに
上がったり下がったりで良く分からない相場ですが、全体的に見れば、下がり相場であることは間違いありません。
悲観の中に、チャンスが眠っていると考える人ならば、ここで買い進めるのは決して間違いではないと思います。
私は、為替が(予想通り)円高が徐々に進んでいますので、本格的な投資額増加は1ドル105円を切ってきてからかなと考えています。
それまでは、15万円/日の積立を毎日続けていきます。
FRBの相次ぐ利下げで早晩さらに円高になるでしょうし、万一オリンピック中止になったら、本当に1ドル100円を切ってくるかもしれません。
FRB弾切れのままリセッションを迎えることが唯一の懸念ですが、その前にコロナ騒ぎがピークを終えて、株価が上昇するように願っています。