【悲報】アビガン投与で、コロナ軽症者の死亡率増加か!?

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こんにちは、shiro-mameshibaです。

 

コロナウイルス治療薬として日本発の治療薬として有望視されていた「アビガン」(富士フィルム富山化学)ですが、コロナウイルスに感染した軽症者への投与により、逆に死亡率が上昇する可能性がある、というショッキングなニュースがありましたので紹介いたします。

 

  

コロナ軽症者の致死率1.6~2.3%→11.6%に増加!?

 

薬事日報からの情報です。

 

薬害オンブズパースン会議は、新型コロナウイルスに対して藤田医科大学が実施中の抗インフルエンザ薬「アビガン」の観察研究について、軽症者の死亡率が高いとして、新たな患者登録をいったん中止するよう求める意見書を公表した。アビガンを観察研究の枠組みで使用し続けることはかえって患者の利益を損ねるとし、厳密なランダム化比較試験の結果による有効性の証明なしに承認すべきでないと改めて訴えた。

 

 意見書では、藤田医大が公表したアビガン観察研究の中間報告において、致死率が11.6%に達したことを指摘。厚生労働省新型コロナウイルス診療の手引きの全国集計による致死率1.6%や中国CDCが公表している致死率2.3%と比べて明らかに高いとし、「このことはアビガンが有効でない可能性、さらに有害な可能性を示すもの」との見解を示した。

 

薬事日報より

 

 

記事によると、アビガンを軽症患者投与したとき、致死率11.6%と非常に高かったことが指摘されています。

 

(追記:上記報道の致死率11.6%は、文中に記載がありませんでしたが、重症例も含めた全体の平均のようです。軽症例での致死率は5.1%だったようです。)

 

 

これは、本邦や中国CDCが公表している致死率1.6~2.3%に比較して、5~7倍致死率が高いという結果となりました。

 

 

アビガンの危険性が確実に高いわけではない

 

これはあくまで、報道による情報の伝聞にしかすぎませんので、アビガンに危険性がある可能性がある、というだけであり、確実に危険だ、とか、効果がない、ということでは決してありません

 

 

そこは間違えないようにしてください。

 

 

肝心の研究内容自体が論文化されていないため、実際にどういった患者が対象となったか分かりませんし、分類上は軽症者に当てはまるけれども、糖尿病や抗がん剤治療中などでリスク因子がもともと高い患者さんがセレクトされていた、という選択バイアスがあるのかもしれません。

 

 

この報道とは逆に、フサンとの併用で効果がある?という情報も最近流れていることは指摘しております。

 

 

ただこれも、比較対象群(非投与群)との比較が報道ではないので、本当に有効だったのか?(何もしなくても治ったんじゃないか?)ということを否定できるものではありません。

 

 

 

ようは、アビガンの有効性も危険性も、まだ何も分からない、ということです。

 

 

富士フイルムの株価は下落基調

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上記は、富士フイルムホールディングス(株)の株価の推移です。

 

 

2020年4月に、アビガン有効性が示唆されたときに6,000円台まで急上昇しましたが、その後はずるずると下落基調です。

 

 

これをみても、ワクチンや治療薬に飛びついて一山当てることの難しさがお分かりになるかと思います。

 

 

むすびに

 

人体やウイルスというものは複雑怪奇で、いくら理論的に効果がある可能性が叫ばれようとも、実際に臨床データが出揃うまでは、有効性は証明されないのです。

 

 

もちろん、読みがあたれば一夢あるかもしれませんが、それは、企業価値投資する行為ではなく、何も分からない内容に大切なお金を投げつける、一か八かの投機にすぎないということを、今回のアビガンは教えてくれます。

 

 

今回の記事の主題は、アビガンの有効性ではなく、流行りのテーマに乗る投機の危険性についてでした。

 

 

 

投資家たるもの、自分が理解できない、確信が持てない内容に資金を投ずる行為は、なくなっても痛くない趣味の範囲内に留めておきましょう。

 

 

 

※なお、余談ですが、私は富士フイルムのカメラ(X-T30)の愛用者ですので、新製品のカメラを気合い入れて作ってもらうためにも、富士フイルムの株価が上がることを願っています(笑)

 

 

追記

ファビピラビル観察研究中間報告を拝見すると、入院症例のみを対象にしているようですので、入院の不要そうな無症状の方を除外されているようです。そのため、みかけの死亡率が上がっているのかもしれません。ただし、対照群(無投与群)が設定されていないため、やはり、有効率、死亡率ともに評価ができません。