【開業医のためのお金の教室⑧】青色専従者は、給与373.06万円まで無税だよ!
こんにちは、shiro-mameshibaです。
久しぶりですが、開業医(起業者)向けの内容として、配偶者(青色専従事業者)にかかる税金について、給与所得373.06万円まで無税(所得税、市民税)だというお話します。
青色専従従業者
青色専従従業者とはなにか、については、以前の過去記事を御覧ください。
shiro-mameshiba.hatenablog.com
青色事業専従者に支払う給与にも、一般労働者と同様に、給与所得控除(下表)などの、所得控除することが出来ます。
(国税庁より)
つまり、給与所得をX円とした場合、
(給与所得が180~360万円まで)
給与所得控除=X×0.3+8万円
(給与所得が360~660万円まで)
給与所得控除=X×0.2+44万円
となります。
他の所得控除には、以下のようなものがあります。
所得控除
したがって、給与所得から、上記所得控除を全て引いた課税所得金額が、0円以下になれば、所得税、市民税はかかりません。
(給与所得が180~360万円までの場合)
課税所得=Xー(0.3X+8+48+21+ 19.848 +165.6)=0.7X- 262.448≦0円
X ≦ 374.92万円
となり、374.92万円以下で課税所得が0円以下となります。
180~360万円までの給与では、全て374.92万円を下回っているため、所得税、市民税はかかりません。
(給与所得が360~660万円までの場合)
課税所得=Xー(0.2X+44 +48+21+ 19.848 +165.6)=0.8X-298.448 ≦0円
X ≦ 373.06万円
となり、373.06万円以下で課税所得が0円以下となります。
360~660万円までの給与では、373.06万円以下で、所得税、市民税はかかりません。
つまり、配偶者(青色専従事業者)の給与は、373.06万円以下で課税所得が0円以下となるため、所得税、市民税はかかりません。
青色専従者給与はいくらが良いか?
さて、給与所得が、373.06万円以下で所得税、市民税がかからないということで、配偶者の給与はいくらが良いでしょうか?
所得税、市民税がかからないのは373.06万円以下ですが、これをぴったり373万円以内に納める必要はありません。
これ以上の給与には、所得税、市民税がかかりますが、通常、クリニックの院長給与の税率(所得税33%~)に比較すると、はるかに少ない所得税率(5~10%、高くても20%)に収まるはずです。
結論から言うと、許容されるできるだけ高額を青色専従者給与とする、のが正解です。
一般的に、同様業種(クリニック内の他の従業員)と比較して、あまりに高額の青色専従者給与は、否認されてしまうリスクがあります。
しかし、ある程度は高額でも黙認されるため、配偶者が看護師資格を有しているならば、『看護師給与+事務長給与』とすれば、600~800万円程度までなら、給与所得として認可されるでしょう。
看護師資格を有していなければ、『医療事務給与+事務長給与』として、500~600万円程度までなら許容されると思われます。
地域によっても異なりますので、担当の税理士にご確認ください。
むすびに
さて、私の開業準備も、本格的に入ってきました。
クリニック建築費は、5年前と比較して、2,000万円程度は優に高くなっているなど、めまいがしそうですが、クリニック月額売上高が500万円~ということを考えると、開業を延期して、時期を見計らうのは得策ではなく、むしろ、1日でも早く開業して、より多く売上を上げるほうが、長期的に見て優れた投資法と言えるでしょう。
これから、30年近くは、開業医として生きていくことになります。
盛況となり、夫婦で合算所得ができて、1日でも早くもとを取れれば、FIREなんてのも夢ではありません。
しかし、そうなっても、小児科医は私にとって天職だと思っているので、年を取って体力がなくなっても、診療日を制限して、細々と長く続けていくことになると思います。
なんにしても、自分の人生を変えたければ、自分の頭で考えて、自分の判断と責任でもって、リスクをとるしか方法はありえません。
願わくば、生きがいも、資産も、最大化できることを願っております。