今年も、学会シーズンがやってきた! ー医師のボラティリティ②

 

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こんにちは。

 

今年も、学会シーズンがやってきました。

 

ブログ主shiro-mameshibaも一応は小児科医ですので(笑)、学会とは無縁ではいられません。

 

テレビドラマなどでは、よく「学会でロンドンに・・・」などと、格好いいセリフもありますが、今回は、一般の方にはなじみの少ない、この学会とは何かについてお話します。

 

 

学会とは何か

 

私たち医師は、通常、それぞれ専門科の学会に所属します。

 

ブログ主shiro-mameshibaは小児科医ですので、まずは『日本小児科学会』に所属しています。

 

これが内科の先生だと『日本内科学会』、外科の先生だと『日本外科学会』などに所属することになります。

 

その他にも、それぞれの専門とする分野や疾患別にも学会があり、一例をあげると、小児科に関連する学会には『日本マス・スクリーニング学会』とか『日本小児内分泌学会』といった学会が独立して存在しています。

 

そのため、shiro-mameshibaは、現在、ぜんぶで4つの学会に所属しています。

 

学会の役割

 

学会の役割としては、それぞれの学会誌を発行して、その分野で新たに得られた知見や情報を会員に周知したり、年1回の学術総会(全国学会)と年数回の地方会を開催して、学会員に発表する機会を与えたり、会員同士の交流を深めることで、将来的な日本の医療レベルの進歩を促すことを目的としています。

 

なので、我々が学会に参加するという時には、この学術総会(全国学会)や地方会に参加することを意味します。

 

自ら発表することもあれば、発表はせずに参加してセミナー等を受講するだけのこともあります。

 

意欲のある先生では、日本を超えて、提携している国際学会(小児科学会だと『欧州小児科学会』など)に参加することもあります。

 

通常は、国内の学会に参加することが多いため、もし海外の学会に頻繁に参加されている先生がいるとしたら、その分野で『とても熱意のある優秀な医師だ』と考えていいと思います。

 

shiro-mameshibaは、これまで1回だけ海外の発表に参加させていただいたことがあります。英語はあまり得意な方ではないので(笑)、質疑応答にとても苦労しました。

 

学会発表と論文作成

 

学会で発表する場合には、大きく分けて、ポスター形式で発表する場合と、口演形式でPWを使用して発表する場合があります。

 

国学会ではそれら両方が同時に開催されますので、口演を聴きたい人は各ブースに聴きに行ったり、空いている時間でポスターを見に行ったりと、学会中はわりと時間は自由に使えます。

 

国学会は毎年開催地が変わり、多くが数日間開催されますので、その間にちょっと学会を抜けて、観光を楽しむことも多いです。そのため、北海道などの観光地で開催されると、ちょっと嬉しいです(笑)。

 

また、『論文を書く』という言葉もよく耳にすると思いますが、学会が発行する学会誌学術雑誌に自分の研究内容を投稿して掲載されるように努力することを意味します。

 

一般的に、学会で発表をするよりも、論文を書く方が、紙や電子データとして残り、広く後世まで情報を残すことになりますので、医学の世界ではより意義がある実績とみなされます。

 

そのため、我々のキャリアとして、論文を書くことがとても重視されます。

 

学会発表や論文作成はとても大変だけれど、直接的な報酬はないよ

 

この学会発表や論文作成、当然ですが、とても時間がかかります。

 

研究データの集計や文献検索、PW作成までぜんぶ含めると、学会発表では、地方会で20~50時間、全国学会では40~60時間くらいがかかります。(shiro-mameshiba経験で。優秀な先生ならもっと早く作れるともいますが、優秀な先生は、この何倍も、普段から勉強に時間を費やしていると思います。)

 

これが論文になりますと、掲載する雑誌の難易度にもよりますが、おおよそ150~300時間くらいはかかると思います。

 

そして、これらは、我々勤務医の通常の診療時間の空き時間や勤務時間外(帰宅後の自宅でも)で行っており、この発表資料作成や論文作成に取り組む時間は、通常、労働時間としてカウントしてもらえないため、研究発表に費やした時間は無給扱いとなります。

 

そのため、当ブログでたびたび指摘してきた通り、『研究に熱心に取り組む優秀な医師ほど、給与が低い』のです。 

 

忙しい時期の時間配分では、臨床:研究=1:1くらいになることもあります。

 

逆に言うと、大半の一般勤務医から学会発表がなくなることがあれば、医師不足はほとんど解消するかもしれません(医学の発展もなくなりますが)。

 

学会のシーズン 

 

学会にもよりますが、おおよそ4~6月にかけての春のシーズンと、8~11月のお盆~秋にかけてが多いです。

 

つまり、まさにこれからが学会シーズンです。

 

ですので、私shiro-mameshibaも、そろそろ発表資料作りに取り掛からなければなりませんので、しばらくはブログの更新頻度を少なくしようと思います(笑)。

 

ご覧いただき、ありがとうございました。

 

(少しずつですが、更新は続けようと思います。)

 

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