ふるさと納税、駆け込み寄付に思うこと -総務省はバカなのではないだろうか?
こんにちは、shiro-mameshibaです。
株式市場は相変わらずの大騒ぎですが、今日は、投資からちょっと離れて、ふるさと納税の話題です。
結論から言って、総務省はバカなのではないだろうか?と考えます。
(過激な表現で失礼します。)
- ふるさと納税返礼品額の上限設定と、それに伴う駆け込み寄付の急増
- それで、2019年以降のふるさと納税額は減るのだろうか?
- 寄付額3割上限になったらどうなるのか
- 年収3000万円以上の人の寄付額が増加する
- むすびに
ふるさと納税返礼品額の上限設定と、それに伴う駆け込み寄付の急増
さる2018年9月11日、(自民党への影響力が強い)都心や大阪等の自治体からのあいつぐ要望にこたえる形で、総務省より、『ふるさと納税の還元率3割を厳守』する制度の見直しが発表され、それに反する(還元率の高い)自治体のブラックリスト公表、納税制度からの除外が検討されていることが公表されました。
都会の自治体は、ふるさと納税で他の地方自治体に税が移動してしまい、大変困っているのです。
この新たな制度が適用されるのは2019年4月からになる見込みですが、2018年11月1日から全国自治体の返礼品調査(監査)が始まるため、実質的に、2018年10月31日までがぎりぎりこの新制度の除外を免れることになります。
つまり、明日10月31日までのふるさと納税駆け込み寄付の急増が予想されます。
それで、2019年以降のふるさと納税額は減るのだろうか?
さて、上記の通り、2019年度から還元率は3割厳守が徹底されます。
これまで、返礼率の高い自治体の還元率は5~6割を超えているところもあったために、納税する側からすると、ふるさと納税のお得感がぐっと減ってしまうのは確かです。
しかし、普通に考えて、それで、ふるさと納税をやめることには全然なりませんよね?
理由① 返礼額が減っても、上限額は変わらない
今回のふるさと納税制度改正では、返礼品還元率は低下しても、上限額変更の検討をするという発表は今のところありません。
少なくても、私は、来年以降も、上限額ぎりぎりまでふるさと納税を続けていくつもりです。
2018年までより還元率は下がるとはいえ、2000円の負担(それも、クレジット払い+楽天ふるさと納税なら、実質プラスになる)で、寄付額の3割の返礼品がもらえるのに、それをやめる人が出てくるとは、とても思えません。
変更するならば、返礼率ではなく、寄付額上限にしないと意味はないのではないか、と私は考えます。
理由② むしろ、寄付額が増加するのでは?
ふるさと納税寄付額の上限は、下表のとおり、年収によっておおよそ決まっています。
(ふるさとチョイスより)
私の場合には、年収1500万円前後ですので、上限約35万円以上はふるさと納税が可能です。
この表には1億円の年収の方まで、寄付可能金額の記載があります。
しかし、実質的には、1億円の年収の方が400万円以上寄付することは出来ません。
なぜかというと、返礼品は、一時所得として計算されるため、50万円を超える返礼品には税金がかかってしまうからです。
返礼品は、一時所得
ほとんどの労働者(もちろん私を含めて)には関係ないため、ご存じない方も多いと思いますが、前述の通り、ふるさと納税の返礼品は、税法上は一時所得として計算されます。
(ふるさと納税の)一時所得は、
一時所得=一時所得の収入金額-50万円
として計算されます。
ここの50万円がミソなのですが、つまりは、50万円を超える返礼品には、税金を支払う必要が出てきてしまうのです。
高還元率によって、寄付上限額はセーブされていた
前述の通り、これまで高還元率の自治体の返礼率は5~6割を超えていました。
しかし、公表されていませんでした。
そのため、(税金を1円でも払いたくない)超高所得の方々は、返礼品の還元額が50万円以内に収まるように用心して、寄付額を最大でも80~100万円までにセーブしていました。
つまり、(公表されていない)高還元率によって、ふるさと納税の寄付額は、実際の寄付可能額よりも少ない額になっていたのです。
寄付額3割上限になったらどうなるのか
これまで、実際の還元率が不明だったため、超高所得者は、ある程度余裕を持たせた額内(一時所得がかからない額)80~100万円/年にふるさと納税寄付額を控えていました。
しかしこれが、『最大でも還元率3割』をおおもとの総務省が保証してくれるのなら、ぎりぎり上限いっぱいの額まで寄付しよう、というのが、自然な発想です。
富裕層は、払わずに済む税金は1円でも払いたくないし、お得になる制度は、ぎりぎりまで使いこなしたい、という思考をするのは、投資をする人なら誰しも納得することでしょう。
そのため、3割還元率でぎりぎり一時所得の税金がかからない寄付額Xは
X(寄付額)×0.3-50万円≦0
となる、X≦166.6万円
まで、税金がかからずに安心して寄付ができるようになってしまうのです。
つまり、ふるさと納税全体の寄付額は、富裕層の寄付額上昇により、さらに増加する可能性があります。
年収3000万円以上の人の寄付額が増加する
前述の表のとおり、年収3000万円以上になると、ふるさと納税寄付額上限が100万円/年を超えることになります。
したがって、これ以上の年収の方について、ふるさと納税額がこれまでよりも増加する可能性が高いでしょう。
というか、私がこの年収だったら、間違いなく166万円ぎりぎりまで寄付します。
しかも、寄付額が上がれば上がるほど(還元率が下げれば下がるほど)、クレジットカードのポイントや楽天ポイントは増加します。
投資よりも、確実、かつ安全にリターンが見込めるのに、やらない理由がありません。
むしろ、よくも還元率下げやがったなコンチクショウ、とばかりに、ぎりぎりまで寄付するでしょう(笑)
むすびに
以上の通り、この制度改正では、総務省の狙いは的外れで、これまでふるさと納税をしていた人が寄付を止めようとは思いませんし、超富裕層の寄付はさらに増える可能性がある、と私は考えます。
今回は、ふるさと納税制度自体の是非については述べておりません。
しかし、総務省の制度見直し令は、相変わらず実情を見ないお役所仕事だなあと思い、所見を述べさせていただきました。
あ、ちなみに、トランプ大統領も、『やっぱり、日本車に関税20%をかけるわ』(日経新聞より2018/10/28)なんて発言をしているようです。
前回26日の記事(下)にも書きましたが、選挙対策として、中国に振り上げたこぶしを下すこともできずに、日本に八つ当たりしてきた展開があまりに予想通りすぎて、なんだかなあ、と思いました。
shiro-mameshiba.hatenablog.com