医師国家試験の思ひ出・・・(-_-;) ~堕天使に捧ぐ~

f:id:shiro-mameshiba:20210513135733j:plain

 

こんにちは、shiromameshibaです。

 

 

先日、東大理3を合格したのに、医師国家試験に(複数回)不合格したという方のYoutube動画をたまたま拝見しました。

 

 

 

私が医師国家試験を受けたのは、もうかれこれ15年ほど前の遠い記憶になりますが、今でも思い出したくないくらいに、恐怖のトラウマ体験となっています(笑)

 

 

医師国家試験は合格率9割超えで簡単って本当!? 

 Q. 医師国家試験は簡単なの?

 

 A. 辞書1冊を頭に叩き込むことが簡単と言える人には、

  容易い試験なのかもしれません。

 

 

 

正直なところ、医師になること、そのために医師国家試験に受かるためには、特別な才能は不要だと思います。

 

 

だいたい、医学生2~3年生の時に学ぶ生化学や生理学、薬理学については、たしかに概念が難しかったりして、そこで引っかかって留年する方も多くいます。

 

 

しかし、一般医学臨床問題における、疾患概念や病態生理の理解、臨床診断については、テキストをよく熟読しすれば、新聞を正しく読める程度の日本語理解力がある方ならば、誰であっても、一通りのことは理解できるくらいの難易度だと思います。

 

 

 

ただし、その知識量が、途方もなく膨大である、という点が、単純ですが、医師国家試験の最大の難関なだけです。

 

 

 

世間で言われているように、合格率90%だから簡単な試験だ、なんてことは(少なくとも私にとっては)全くありませんでした。

 

 

辞書一冊、正確に記憶する

 

 

上図は、『イヤーノート』という 書籍で、過去の医師国家試験で出題された知識が一通りまとめられた辞書のような本です。

 

(説明のためにあげただけで、アフィ目的ではありません。ここで買う、奇特な方もいないでしょうが・・・(笑))。

 

 

 

ほとんどの医学生にとって、医師国試のバイブルとなっています。

 

 

医学知識の増大によって、年々本の厚みは増しており、2022年ver.では実に1,836頁となっています。

 

 

著作権の関係で中身をお見せすることはできませんが、この中に、図や細かい説明文がぎっしりと書かれております

 

 

 

しかも、これは内科・外科編のみであり、いわゆるマイナー科(小児科や眼科、産科など、それ以外の科)については、別途、マイナー用イヤーノートを購入して勉強が必要です。

 

 

また、イヤーノートに国試のすべてが書かれているわけではありませんので、実際の国家試験過去問を解いて、足りない知識を自分で書き込んでいって、自分なりのイヤーノートを完成させなければなりません。

 

 

しかし、書いても書いても、問題を解くたびに知らない知識が増えるため、書き込み作業は延々と終わらず、まるでサクラダ・ファミリアを建設している作業員のような心境になります・・・(笑)

 

 

しかも、時々、イヤーノートにも間違いが書いてある(古い医学知識で今は否定されているなど)ので、それに気づいて、自分で訂正したりしないといけないことも、たまにあります(笑)

 

 

そこまでやって、イヤーノートの内容を全体の9割、正確に暗記できて、はじめて、医師国家試験で70%の正答率(合格点ボーダーライン)を取ることが可能となります。

 

 

 

つまり、辞書1冊をまるごと頭に叩き込まなければ、医師国家試験には合格できません

 

 

 

 通常の医師に、天才や才能は不要

 

 

どんな天才でも、知らないことは分からない』という言葉があります。

 

 

かつて、ジョージ・W・ブッシュ政権時代のライス国務長官は、IQ200だったと言われますが、そんな大天才の彼女でも、おそらく、日本語はしゃべれないでしょう。

 

 

ただこれは、単に彼女に日本語を学び経験する必要性がなかったからに過ぎず、おそらく、勉強すればすぐに覚えてしまうとは思います。

 

 

ただし、どんな天才でも、経験と知識がなければ、日頃、日本語に触れている小学生にも、日本語能力では劣るのは、ごくごく当然のことです。

 

 

 

それと同様に、医師国家試験には、超人的なひらめきや洞察力は全く必要ありません

 

 

必要なのは、ひたすらに、長期間、真摯に医学を学ぶ、覚悟と情熱、そして正確で、膨大な知識だけです。

 

 

 

こどもが日本語を覚える時と同様に、ただひたすらに、毎日何時間も図書館やファミレスに通い詰めて、せっせと医学知識を詰め込み、理解し、記憶した医学生だけが、医師国家試験で合格することが可能なのです。

 

 

 

 

医師国家試験の難易度は上がっている

 

医学部受験の難化

 

また、30年ほど前ならば、早慶に受かる程度の学力があれば、私立医大には余裕で合格できると言われていました。

 

 

しかし、ここ最近の医師志望者数の激増により、本来なら東大理1~2合格クラスの学生まで、私立医大に流れてしまっていると言われています。

 

 

また、勉強熱心で優秀な女子学生が医学部に増えたことも、難易度激化の一因と言えます。

 

 

つまり、国立私立問わず、医学部に入学した時点で、ほぼほぼ東大クラスの学力と、勉強する姿勢が身についた学生であると言えるでしょう。

 

 

shiro-mameshiba時代より、みんな優秀だと思います(笑)

 

 

医学生のストレート卒業率は低い

 

国公立・私立を問わず、医大に入学後、そのままストレートに6年間で大学を卒業できる方は、実はとても少ないのです。

 

医師国家試験合格率ランキング | 福岡の医学部予備校はPMD医学部予備校福岡校

 

 

上位10校を除くと、国公立医大ストレート卒業率は90%程度、ほとんどの私立医大では80%を切っています

 

 

 

そのまま進級できずに、退学される方もとても多いです。

 

 

 

つまり、医師国試を受験できると言うだけで、医学生の中でも更にセレクトされた学生だけだということがお分かりになるかと思います。

 

 

 

そんなふるいを掛けられた(留年生や卒試浪人などを除外した)医学生たちが、6年間ひたすらに勉強して、最後に医師国試を受験できた医学生の中で、さらに下位10%が不合格になる、という非常に恐ろしい試験が、医師国家試験なのです。

 

 

医師国試は、運転免許のように合格点が決まっている試験ではなく、受験者全体の得点下位10%が自動的に不合格になるシステムです。

 

 

 

みんなが優秀で、勉強すればした分だけ、合格がさらに難しくなる、という過酷な試験です。

 

 

ジョジョの奇妙な冒険第1章ブラットファントム編の、ブラフォードタルカスが攻略した『77の輝輪』を想像してもらえれば、その過酷さが想像できるかもしれません。

 

 

 

これを簡単だと言える方には、おそらく、日本で難しいと言える試験は殆ど無いでしょう。

 

医師国試はどれくらい難しいの?

 

 

少なくても、shiro-mameshibaの体感としては、センター試験で9割を取った時や、国立大医学部に入学した時より、国試のほうが難しかったです。

 

 

勉強量も、大学受験の比ではありませんでした。

 

 

人生でも、もっとも勉強した6年間だったと思います。

 

 

ちなみに、shiro-mameshibaは、本当にギリギリ合格で、あと5~6問/500問(1%程度)間違えていたら不合格だったことは、だれにも内緒です。

 

 

あまりの勉強のトラウマか、卒後数年間は、『国試に実は落ちていた』とか『国試をもう一度受けている』悪夢を見ることもあり、夜中に飛び起きることもしばしばあったほど、心に傷をおったようです。

 

 

今となっては、笑い話ですが(笑)

 

 

少なくても、もう2度と受けたくない試験ではあります(笑)

 

 

 

なんで理科3の人まで国試に落ちるの?

 

受験界では、東大理3など、雲の上の上、まさに神様か宇宙人ですが、そんな彼らでも、医師国試の合格率は毎年90%程度です。

 

 

 

これは、ただ単に、才能やひらめき、論理力でどうにかなっていた大学受験の成功体験を引きずりすぎているためだと思われます。

 

 

ただひたすらに、長時間かけて、膨大な知識を正確に覚えるだけの学習方法と、その覚悟が、天才すぎるがゆえに、彼らには身についていないのだろうな、と思われます。

 

 

 

オリンピックの短距離走金メダリストが、なんの準備もなく、いつもどおりに、もし箱根駅伝に出場したら、おそらく、すぐに失速して、最下位になるのと同じことだと思います。

 

 

むすびに

 

当ブログは、投資ブログでもありますが、一応、大学受験生向けの内容も含んでおります(笑)ので、今回は、ちょっと趣向を変えて、医師国試の思い出について語ってみました。

 

 

逆に言えば、受験者全体層のレベルが高くなかった30年以上前であれば、たしかに、医師国試は容易に合格できていたのでしょう。

 

 

ですので、現在60歳以上の医師の言う『国試なんて簡単だ』という言葉にも、一定の真実が含まれているとは思いますが、現在とは全く状況が異なるので、あまり真に受けないでほしいなと思います。

 

 

 

医学部を志望する、本気で医師になりたいのであれば、偏差値や大学所在地だけではなく、ストレート卒業率・国試合格率こそ参考にして、志望校を探してみることをおすすめいたします。

 

 

 

 

さて、株式市場は動揺しており、ハイテクについては既に暴落状態ですね(私のPINSも・・・(;_;))。

 

 

しかし、ダウ平均やS&P500に至っては、最高値からたかだか-5%程度の下落にすぎませんので、まだまだ騒ぐ段階ではありません。

 

 

まずは落ち着きましょう。ドイツ軍人はうろたえないッ!

 

 

 

まだ買い出動には動かず、もう少し調整にかかりそうになってからにしようと思います。

 

 

その前に、これまでと同様、さっさと元通りに反発してしまうかもしれませんが。