辞表を、提出した。

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こんにちは、shiro-mameshibaです。

 

 

表題どおり、勤めている病院に、辞表を提出しました。

 

 

いや、正確に言うと、辞表を提出させられました

 

 

 

辞表には、「一身上の都合により、退職いたします。」と、私の直筆入りです(笑)

 

 

 

辞表を出したのは、開業のためでも、さらなるスキルアップのためでもなく・・・、

 

 

 

ただただ、単に、『医局の命令』、だからです・・・・(;_;)(笑)

 

 

すべては医局の命令のままに

shiro-mameshiba.hatenablog.com

 

当ブログの、最初期の記事の振り返りで恐縮ですが、『医局』とは、一般のイメージで一番近い存在は、『総合派遣会社』だと思います。

 

 

 

世間で思われているほどは、怖い存在でもないですし、いまの教授は、おおむねどこも、人格者が多い(全てではない・・・)です。

 

 

 

我々勤務医は、直接的に、『医局』に雇われているわけでも、お給料をもらっているわけでもありません。(むしろ、安くない額の医局費を、毎年収めています。)

 

 

 

しかし、『医局』の采配により、今年は県立A病院に行ってくれ、来年は私立B病院に行ってくれ、などと、ほぼ毎年、異動を命じられるのです。

 

 

当然、A病院も、B病院も、直接的な関連性はなく、経営は、全く別の病院です。

 

 

 

派遣会社』でいうと、自動車制作のエンジニアが、今年はトヨタに行ってくれ、来年はホンダに行ってくれ、などと命じられるようなイメージだと言うと、分かりやすいでしょうか?

 

 

 

ただ、『派遣会社』と異なる点は、派遣先での待遇が、パートタイム(有期雇用)の派遣社員ではなく、勤務医は、あくまで各病院の常勤医師であり、正社員である、という点でしょうか。

 

 

 

しかし、正社員が、毎年のように、勤めている会社を退職して、他に転職しろ、と命じられる、という感覚は、一般の方には、なかなか理解し難い仕組みだと思います(笑)

 

 

常識的に考えると、まったく意味が分かりません(笑)

 

 

 

すべては、地域医療を守るため

 

 

医局は何も、嫌がらせでこんなことをしているわけではなく(・・・、たぶん)、地方であればあるほど、過疎地域の病院と地域医療を守るため、なんとか医師を派遣しなければならない、という責任があるのです。

 

 

 

我々勤務医も、それならば仕方ないなあ、と、数年の我慢であれば、と過疎地域で働き、将来的には、できれば(比較的)中心都市で働きたいなあ、暮らしたいなあ、と夢を見て、なんとかかんとか、勤務医を続けているのです。

 

 

 

しかし、そこで一つ、問題が生じます。

 

 

 

全く異なる経営の病院に転職する、ということは、当然、退職金が、その都度支給されてしまい、全くたまらない、という、大きな大きな問題が生じてくるのです!!

 

 

 

 

勤務医を守るため、医師独自の退職金制度を作ろう!

 

 

 

一般的に、勤務医は、開業医よりも平均収入が低く(もっとも、開業医はリスクを背負って開業するので、それは当然ですが)、地方転勤や、当直、休日拘束など、多くのDutyがあるため、疲弊しがちです。

 

 

また、病院間の転職が多いため、転職のたびに退職金がリセットされるため、一般的には、定年になっても、退職金が、全くもらえません

 

 

 

投資で言うと、毎年、年度末に、手持ちの投資信託を、一旦利確しなければならない制度、というと、理解しやすいでしょうか。

 

 

 

複利の力を全く活かせないため、長期的に上昇していく性質のある退職金のメリットを、われわれ勤務医は、全く享受できないのです。

 

 

 

通常の公務員でも、(退職金はほとんど無税ですので)手取り1,000~2,000万円ほどもの退職金を、平均して受給されます

 

 

 

しかし一方で、所得税+市民税で、額面の半分が徴収されてしまう我々勤務医にとって、手取り1,000~2,000万円という金額を稼ぐには、額面で2,000~4000万円を稼がなくてはなりません

 

 

これは、大変厳しい金額です。

 

 

 

現在、勤務医のやりがい搾取、立ち去り型サボタージュによる、働ける勤務医の減少が問題視されています。

 

 

国や県は、医師確保(確保ってなんだ?犯人確保、みたいな負のイメージしかないのですが・・・?農業継承者確保、地方移住者確保、なんて言い方しますか??)、なんて言っているのであれば、もっと生産的に、勤務医の待遇を向上する制度(というか、一般の会社員や公務員と同等にする制度)を考えてほしいものです。

 

 

 

つまり、勤務医が、医局の派遣で病院を転職しても、退職金を支給せずに、そのまま引き継いで、定年退職まで貯めておけて、複利の力で増やしていける、そんな法制度を設計してみたらどうか、と提唱します。

 

 

 

つまり、点々と病院間を転職しなければならない勤務医の不平等を、少しでも軽減し、勤務医を長く続けることに魅力を感じられるようにするための、勤務医独自の退職金制度を作って欲しいのです。

 

 

 

 

もし、それに対して、他の労働者との兼ね合いが・・・、なんて寝言をほざくようなら、勤務医だけ、時間外労働時間上限が1,860時間/年まで可、なんていう、ばりばり過労死のデッドラインを、やすやすと超えてはるか地平線の彼方辺りに引いている、この超絶特別扱いを、まずなんとかしろ!

 

 

 

と、おおむね温厚な私も、さすがにこの不平等には、ちょっとご立腹です・・・。

 

 

むすびに

 

 

という声が政界に届かないのも、医師会が、あくまで開業医の利権団体であり、勤務医の意見を届ける集団ではないことが要因なのでしょう(別に、それは悪いわけではなく、ただ単に、医師会は勤務医のための団体ではない、というだけの意味です。)

 

 

 

本来なら、我々勤務医自身が、集結して、自分たちの利益のために、もっと上手に、圧力をかけるなり、ストライキを起こすなり(ドイツのように)すれば、少しは政界も聞く耳を持つかもしれません。

 

 

しかし、世間で思われておりよりも、勤務医の多くは、善良で、あまり金銭に執着せず、なによりも、金融リテラシーがありません

 

 

 

私自身も、そんな報われない労力をして、世間の冷たい目を浴びるくらいなら、そーっと静かに、開業したほうが良いなあ、と思ってしまいます(笑)

 

 

 

さて、ぐちもこの辺にしておいて、残り僅かな期間、頑張って、残務整理と引き継ぎ資料でも作ります(*^^*)(笑)