親に仕送りすると、数100万円節税できてお得になるよ!
こんにちは、shiro-mameshibaです。
皆さんの中には、親御さんと別居されて、それぞれが独立した世帯となっている方も多いと思います。
子である我々が30代半ばも過ぎてくると、親世帯も、そろそろ定年退職する頃だという方も多いことでしょう。
また、このコロナ騒ぎで親御さんがやむを得ず職を失ったという方もいらっしゃるかもしれません。
そんな場合には、親世代に仕送りをすることで、年間数十万円~節税することができるとってもお得な資産運用方法があります。
別居の親も扶養に入れる
皆さんは、親世帯に仕送りはされていますか?
実は、同居をしていなくても、別居している親世帯(もしくは、6親等内の親族も可)に仕送りをすることで、親世帯を自分の扶養に入れることができるのです。
親世帯を扶養に入れるにはいくつかの条件があります(後述)が、扶養に入れることのメリットをまず先にご説明いたします。
メリット① 扶養控除
親を扶養に入れられると、扶養1人につき、以下のような扶養控除を、自分の所得から控除することができます。
例として、親が、63歳で扶養に入った場合を想定すると、親一人あたり、自分の「所得税」から38万円、「住民税」から33万円控除することができます。
所得税率は以下の通りですので
(国税庁HPより)
自分の所得により、38万円×5~45%=1.9~17.1万円
もの所得控除が可能です。
住民税は全国一律10%ですので、33万円×10%=3.3万円
が住民税から控除することが可能です。
両親が揃っている場合は、この2倍の控除が可能です。
shiro-mameshibaの場合、ひとり親、所得税率は33%ですので、
(所得税控除)38万円×33%+(住民税控除)33万円×10%=15.84万円
が、年間の所得税と住民税から控除されています。
メリット② 国民保険、介護保険
親世代を扶養に入れると、自分の社会保険に親を加えることができるため、国民保険と介護保険の支払いが免除されます。
国民保険、介護保険の金額は各市町村で異なりますが、一例として、神奈川県横浜市の例を示します。
(神奈川県横浜市HPより)
定年退職後は、扶養範囲内で、年間給与収入100万円(所得金額35万円)となるパートを親が行うとした場合、親2人にかかる医療+支援+介護の保険料は、上記表によると46,510円+14,940円=61,450円となります。
親が自分の社会保険に加入できた場合、これらの支払いが免除されます。
被保険者の社会保険料は、自身の報酬月額によって決まるため、扶養人数が増えても負担は変わりません。
(※介護保険の2号被保険者分は、代わりに被保険者が支払うことになります。)
メリット③ 扶養手当
これは、会社や所属する団体によって規定が異なりますが、多くの企業では、扶養者が増えるたびに、扶養手当が支給されます。
shiro-mameshibaの病院の場合、配偶者に対して約13,000/月、他の扶養者(子、親)一人に付き約7,000円/月が支給されています。
つまり、親を扶養に入れると、一人あたり約8.4万円/年が支給されます。
ただし、これらの扶養手当は、支給額は企業によって異なり、支給されない企業もあると思いますので、自分の所属する企業にご確認ください。
メリットの合計
以上、メリット①~③により、自分の所得や親の年齢や人数によっても総額は異なりますが、合計で数十万円/年~の金銭的メリットを得ることができます。
しかもこれは、親世代への仕送りを、ただのグループ会社間の資金移動だ、と考えられるならば(笑)、費用は0ですので、リスク0で確実なリターンが期待できる方法です。
この方法は、親が75歳になるまで(後期高齢者になるまで)は、条件をクリアできれば続けることができるので、総額で数百万円の利益を、リスク0で運用することができる、iDeCoよりもはるかに優れた投資法です。
ただし、この条件に当てはめるには、いくつか厳しい条件があります。
条件①仕送り
親を自分の扶養に入れるためには、「親世代と生計を一にしている」という事実が必要です。
つまり、自分の仕送り額がある一定額以上あり、親の生計を支えているという証明(仕送りの銀行口座コピー)が必要です。
この仕送り額基準は、(おそらく)企業毎に異なり、概ね、親世帯収入の1/2~2/3程度となっています。
これが、最大のネックです。
shiro-mameshibaの病院の場合、扶養条件として「(親の)年間収入の1/2以上の仕送り」となっているため、かなり余裕を持って、毎月8万円を仕送りしています。
つまり、年間96万円も、仕送り資金が必要となります。
この金額は各企業の規定や、親の所得金額によって異なるため、各世帯の事情によって必要となる仕送り額は異なりますが、決して少なくない額を、数年間、親世帯に資金援助する資金が必要となります。
もちろん、この金額をただ親世帯にあげるだけなのはかなりつらい(節税額よりも遥かに大きい)ので、マイホーム購入時の支援や、孫への教育資金という形で、将来的にはほぼ同額程度を親から支援していただくことになっています。
(贈与(110万円以内)という形で、親から毎年、同額を返還してもらった場合は、税法上どうなるか、私は詳しく分からず、怖いので行っていません。)
しかし、一時的にしろ、この金額が手元からなくなっても問題ないという人は、かなり限られるでしょう。
ただし、円キャッシュとして使う予定のない資産が預貯金のみで積み上がっているだけの方で、投資リスクをとるのが怖い方にとっては、リスク0でリターンは莫大あるため、ぜひお勧めの資産運用方法です。
条件② 収入制限
メリット①の扶養控除、メリット②の健康保険上の扶養に入るためには、それぞれ収入制限があります。
メリット①の扶養控除の場合は、親の年間の合計所得金額が38万円以下(給与のみなら103万円以下)
メリット②の健康保険上の扶養の場合は、年間収入130万円(60歳以上または障害者であれば180万円未満)
という制限がそれぞれあります。
健康保険上の制限より、扶養控除に入るほうが制限が厳しくなっています。
親が60代前半で、まだまだ働けるという状態であるならば、労働収入をこの金額以内に抑えることは、将来的な資金を考えると、逆に不安かもしれませんね。
この合計所得金額には、家賃収入や配当所得も含まれてしまうため、若いうちにしっかり親が資産を作っていたり、退職金が十分にある方以外、仕送りを含めても、この所得内で暮らしていくのはかなり難しいかもしれません。
ただし、厚生年金ではなく、遺族年金をもらっている場合、遺族年金は合計所得金額には含まれないという特例があるため、できるだけ長く遺族年金をもらい続けるのが得策でしょう。
(※扶養控除のみ。健康保険上の収入には遺族年金は含まれます。)
無理せず、扶養控除は諦めて、健康保険上の扶養だけに入れてあげるという方法もありますので、親御さんの将来設計に合わせて相談してみるのが良いでしょう。
【注意】遺族年金はできるだけ長くもらおう!
一度、遺族年金→厚生年金に切り替えてしまうと、厚生年金は合計所得金額には含まれてしまうため、間違って、親が早くに年金受取手続きをしてしまわないように、厳重に注意する必要があります。
親世帯は、何度説明してもよく忘れるため(笑)、年金手帳に付箋で貼ったり、定期的に声がけして、絶対に間違わないようにしましょう。
また、市役所の年金担当などにうっかり相談されると、額面だけ見て、厚生年金に切り替えがお得ですよ、などと間違ったアドバイスをされることがしばしばありますので要注意です。
たとえ間違って切り替えてしまった場合でも、もう二度と遺族年金に戻すことはできません。
遺族年金は、1年でも長く受給してもらうようにしましょう。
また、年金受給開始を遅らせれば遅らせるほど、年金総額も増えるので、これまたお得です。
( ※健康保険上の収入には遺族年金も含まれます)
むすびに
要点だけをまとめたつもりですが、かなり長くなってしまいました(笑)
いろいろと割愛した説明もあります(扶養に入れられるのは兄弟で一人だけ、医療費や介護費の自己負担額が上がるデメリットなど)ので、詳しくはご自身の企業担当部門にお問い合わせください。
(詳しくは、私も理解できていない部分が多いため、質問にはお答えしかねると思います。)
お役所は、お得になる節税方法は聞かれなければ教えてはくれません。
我々サラリーマンが行える節税対策は数少ないですので、少しでも税金を取り戻す賢い節税方法を活用しましょう。
金銭的なメリットだけではなく、仕送りをすることは、親にも喜んでもらえるし、自分も親を支える立場になったのだなあと、考え深いものがありますよ。
(親からの、別居で仕送りよりも、同居してくれ!という声ならぬプレッシャーには、気づかないフリをしています(笑))
なお、扶養という観点からみると、高配当個別株やETFではなく、配当のない投資信託のほうが、ご自身が扶養される立場になったときに、合計所得に含まれないので所得制限に引っかからないのでお勧めですよ!
ただし、自分が子に扶養してもらえるくらいに、将来、子が頑張ってくれれば、の話ですが(笑)
それでは、よい週末を。