ウッドショックも、ようやく一服かな?

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こんにちは、shiro-mameshibaです。

 

一部住宅界隈では有名となっている『ウッドショック』ですが、ようやく一服の兆しが見えたようです。

 

 

 

 

ウッドショック

forbesjapan.com

 

まず、『ウッドショック』について、Forbesの記事より

 

 アメリカでは、在宅勤務の増加などに伴い、住宅市場が活況だ。しかし、その影響による木材不足や海上輸送運賃の上昇で、木材価格の高騰、いわゆる「ウッドショック」が影を落としている。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の木材先物価格チャートでは、昨年4月(264ドル/1000ボードフィートあたり)から上昇傾向に転じ、最新の5月17日時点で、1327ドルとなった。1年余りで5倍の価格高騰ということになる。

 (Forbes 2021/05/19 より

 

 

 

 

このように、巣篭もりによる住宅需要により、全世界的に材木価格が上昇した現象が『ウッドショック』と呼ばれています。

 

 

 

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CME 材木先物 Bloombergより)

 

 

そのため、材木先物価格は、わずか1年で約5倍と、まるでグロース株にも匹敵する上昇を見せていました。

 

 

その影響は、当然、日本の住宅価格にも影響し始めており、住宅価格の上昇のみならず、材木在庫の枯渇から、小規模な工務店などでは材木の確保もままならず、徐々に着工の遅れまで出始めているという話です。

 

 

先物価格はようやく一服

www.bloomberg.co.jp

 

建設業者による現物の木材調達価格はなお過去最高水準にあるが、先物市場は歴史的な上昇局面が終わりつつある可能性を示唆している。

 18日のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で材木先物(7月限)は値幅制限いっぱいの63ドル下げて1000ボードフィート当たり1264ドルとなった。下落は7営業日連続と、昨年9月以来最長。中心限月先物は10日に一時1733.50ドルと、1年前の4倍余りの水準でピークに達し、その後27%値下がりしている。

 

Bloomberg 2021年5月19日

 

 

しかし、この材木先物価格もようやく落ち着き、 最高値から27%減少を見せるようになりました。

 

 

ようやく、一安心といったところですね。

 

 

これからマイホームや新築を考えている方へ

 

 

ようやく先物の価格が落ち着きを見せたと言っても、1年前から比較して、まだまだ高値圏に推移しています。

 

 

今後、材木価格がもとに戻るには、数ヶ月から数年かかるかもしれません。

 

 

私も、これからクリニック戸立開業を目指しているので、当然影響を避けることはできないでしょう。

 

 

しかし、これから、マイホームや事業での新築を考えている方は、少なくても、今すぐの相談は控えたほうが良いと思います。

 

 

不利な条件での契約を急かされる可能性!

 

 

なぜなら、この『ウッドショック』を逆手に取り、住宅メーカーから、「今すぐ契約しないと来年は更に高くなってしまうかも!」というように、(材木先物が急落していることを隠して。)契約を急かされるような交渉をされてしまう可能性が、極めて高いからです。

 

 

また、不利な条件や、望まない立地での建設、最悪の場合、悪質な会社であれば材木価格の値上がり以上の便乗値上げで契約されてしまい、将来的に泣きを見る可能性も高いでしょう。

 

 

日本企業の高値づかみの可能性大!

 

また、日本企業あるあるですが(笑)、今後の、材木資材の枯渇の噂に慌てた、大手住宅メーカーなどが、材木価格が最高値になった先週くらいに、商社などから、大量に材木資材を買いあさっている可能性も高いです。

 

 

マスク然り、アルコール消毒然り。

 

 

つまり、最高値の材木資材の大量契約を掴まされてしまった可能性も高く、そうすると、最高値で購入した在庫がはけるまでは(数ヶ月~1年くらい?)は、もし『ウッドショック』収まっても、住宅メーカーのマイホーム建築は、しばらく高値で契約せざるを得ないかもしれません。

 

 

 

これは、マスクや手指消毒用アルコールを、値上がりを期待して海外から買い占めていた個人が、いざ供給が十分になった途端、あわてて、路上で、大量に、マスクや消毒用アルコールを、やむを得ず原価割れで販売していたのを思い起こして頂ければお分かりになるかと思います。

 

 

 

材木先物が5倍になったからと言っても、需要は決して5倍も増えてはおりませんので、値上がり転売を考え、どこかに在庫の山があるはずです。

 

 

 

値上がりが止まれば、一気にその在庫が放出される可能性は十分考えられます。

 

 

 

しかし、一旦住宅メーカーが材木資材を高値で買い漁ってしまった場合は、マスクのように、住宅メーカーが、赤字覚悟で、『ウッドショック』以前の値段で、住宅販売するとはとうてい考えられません

 

 

おそらく、大手住宅メーカー同士は、談合、紳士協定により、お互いの最高値の材木在庫が程よくはけるまでは、横並びに、値上がり分を販売価格に、同程度、転嫁し続けると思われますので、しばらくは、住宅価格は最高値のままで販売が続けられることでしょう。

 

 

 

むしろ、必要時に、その都度、材木を発注する個人工務店などの方が、先に住宅価格は安値に戻るかもしれません。

 

 

 

材木価格は建築費の10%程度

 

 

 

しかし一方で、住宅価格に占める材木価格は、建築費全体の10%程度にしか過ぎないという事実もあります。

 

 

つまり、3,000万円のマイホームに占める材木価格は、10%の300万円に過ぎません。

 

 

つまり、仮に材木価格が50%値上がりしたとしても、材木価格は300万円から450万円と、150万円の値上がりしか変化しません。

 

 

もちろん、150万円というのは大きな金額ではありますが、家自体に占める割合としては、それほど大きな割合でもありません。

 

 

その金額に固執するよりも、子供の進学や、家族の引っ越しなど、マイホーム建設の機会を優先するというのも、人生の質という観点からすると、あながち間違えとは言えません。

 

 

また、個人事業を新規に営むのなら、数百万円の建設経費増よりも、開業が遅くなることでの機会損失を優先するという考え方もあると思います。

 

 

 

たとえ、多少高くなったとしても、便乗値上げではなく、適正な価格の範囲であるならば、人生の中で許容すべき負担と考えてみるのも一つかと、私は思います。

 

 

むすびに

 

 

新規事業もマイホーム建築も、一生の中で何度もあるものではありません。

 

 

 

出来るならば、安い価格で建てられたら、一層良いですね。

 

 

もしも、ウッドショックが長期化するのであれば、おそらく、住宅ローン金利に対する控除の拡充など、何らかの対応を政府が取ると思われます。

 

 

その控除次第では、価格上昇の影響を最小限にすることも出来るでしょう。

 

 

 

間違っても、今の時期に慌てて契約するのは、得策ではないと思います。

 

 

もし待てるのであれば、もう少しの間、ニュースなどで騒がれ始めて、住宅契約件数の減少などが始まってから、政府が(ゆっくりと(笑)いつも後出しの経済対策で)対応を考えるくらいまでは、もうしばらく経過を見るというの悪くないのではないでしょうか。