第二次ウッドショック勃発!? 材木先物1000ドル超え(・・)!

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こんにちは、shiro-mameshibaです。

 

ずっとウォッチ続けていた材木先物価格ですが、2021年5月に1670ドルとピークを迎えたウッドショック後、8月までには470ドルと約1/3以下まで急落し、11月までは横ばいで推移しており、ここ半年ほどは、ウッドショックは沈静化していました。

 

しかし、この僅か1か月で、12月10日1069ドルと、再び急騰し、第二次ウッドショックとも言える状況になっております。

 

 

将来の住宅価格や建築費にも直結する話ですので、多くの方にとって、非常に重要な案件です。

 

 

 

第二次ウッドショック

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私にとっては、高額なクリニック建築費に直結する話なので、ここ最近はずっと材木先物を確認していました。

 

11/12までは622ドルと、平年よりは高いものの、それでも直近ピークの半額以下で推移していましたので、これなら影響は少ないだろうと安心していたのですが、その後、僅か1か月にも満たない期間で12/10終値1067ドルとなんと1.7倍の価格に跳ね上がっています。

 

グロース株も真っ青な上昇率です。

 

 

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https://www.comtex.co.jp/market/chart/

 

 

一方、他の商品先物には、そのような傾向は見られていません。

 

 

 

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世界のコロナ感染者数は一進一退で、決して減っているわけではありませんが、材木先物価格の急騰を説明するものではありません。

 

 

また、オミクロン株が最初に報告されたのは11月24日でしたので、影響はあるでしょうが、材木先物の急騰時期とは一致しません。

 

 

一体何故、材木先物は上昇したのでしょうか?

 

要因① 米国の中古住宅在庫減少と低金利

markets.businessinsider.com

 

住宅市場が新たな需要を牽引しているため、6月中旬以来初めて材木価格が1,000ドルを超えて急騰

 

・材木価格は木曜日の6月中旬以来初めて5%上昇して1,000ドル以上になりました。
コモディティは過去最高を41%下回っていますが、材木価格は最近の安値から127%上昇しています。
・不安定な材木価格を押し上げるのは、供給の減少と相まって、住宅に対する安定した需要です。


木曜日の材木価格は5%上昇して1,024ドルになり、サプライチェーンの問題と住宅建設業者からの安定した需要の中で商品のボラティリティが高まったため、6月中旬以来初めて1,000ボードフィートあたり1,000ドルを上回りました。


材木は2021年に暴落しました。価格は5月に1,700ドルを超えてピークに達し、その後74%も下落した後、452ドル前後で底を打ち、現在のレベルに127%回復しました。 コモディティは、最近の高値からまだ41%減少しており、現在までに12%しか増加していません

 

ボラティリティは、カナダでのさまざまな洪水米国での住宅需要の持続、および一軒家の供給の減少によって引き起こされてきました。


米国で販売されている一戸建て住宅の総在庫は、2015年の約125万戸から着実に減少しています。 Altos Researchのデータによると、現在、米国で販売されている一軒家は350,483戸のみです。 この数字は4月30日に307,000の安値を記録しました。住宅需要を牽引しているのは、記録的な低金利です。つまり、住宅ローンの金利が低く、借り手の購買力が高まり、ミレニアル世代の高齢化が学生の借金から住宅ローンの借金へと着実に進んでいます。


材木の価格がここからどこに行くのかは誰にも分かりませんが、TradeStationのDavid Russellは、ボラティリティが今後正常化すると予想しています。


「これはその巨大地震の余震だ」とラッセルはインサイダーに語り、春の値上げに言及した。

 

「この後、ボラティリティが低下し、物事が安定し始めるでしょう。」

https://markets.businessinsider.com/news/commodities/lumber-prices-above-1000-first-time-since-june-housing-commodities-2021-12


 

つまり、コロナもあり、米国の中古住宅需要が高まる一方で、供給が全く追いつかず、低金利政策のために、金利が上昇する前にと、さらに駆け込みで住宅を購入する人が増えたため、より、材木価格が急騰したということです。

 

 

要因② カーボンニュートラル政策

www.woodbusiness.ca

 

また、別の記事ではカーボンニュートラル政策により、米国内での材木需要を増やす目標ができたことについて述べられています。

 

米国の林業協会は、米国の持続可能性の大統領命令に対応します

 

American Wood Council、National Alliance of Forest Owners、Southeastern Lumber Manufacturers Associationは、連邦の持続可能性を通じてアメリカのクリーンエネルギー経済を触媒するバイデン大統領の大統領命令に関する共同声明を発表しました。

 

「私たちは、連邦政府を利用して、構築された環境をネットゼロに変革する道を切り開いてくれた大統領に拍手を送ります。 国連によると、建物の建設に使用される材料は、建物の総排出量の27%を占めており、気候目標を達成するには、建物、建設、改修の二酸化炭素排出量を削減することが重要です。 木材の使用を拡大し、伝統的な建築材料を大量の木材を含む木材製品に置き換えることで、従来の建築環境の二酸化炭素排出量を大幅に削減できます。これにより、国の森林の炭素の利点を建物、コミュニティ、都市に活用できます。

 

気候変動は、インフラストラクチャ、サプライチェーン、金融投資、および米国経済に直接的な脅威をもたらします。 政府の調達慣行は、気候変動に強いインフラストラクチャを構築し、国内のサプライチェーンを強化し、構築された環境とアメリカの作業林の両方で炭素隔離を拡大することにより、これらのリスクを軽減できます。 木材製品の調達を増やすことは、これらの課題のそれぞれに対処します。

 

木造の建物は炭素を閉じ込め、私たちの建物や都市を排出源から排出保管庫に変えます。 特に大量の材木は、私たちの共通の気候目標を達成するための手頃な価格でスケーラブルで現実的なオプションです。 連邦持続可能性計画は、排出量を削減できる選択を行う際のライフサイクル分析(LCA)の役割を適切に認識しています。 より多くのより良いデータが開発されるにつれて、LCAプロセスはさらに堅牢になり、政府調達においてより思慮深く、気候に配慮した意思決定が可能になります。

 

木材は、成長と再成長が可能な唯一の炭素貯蔵、再生可能、弾力性、持続可能な建築材料であり、持続可能な方法で管理された森林は、増大する需要に対応できます。1958年以来、米国の森林被覆は安定しており、森林量は60%増加しています。 米国の現代の森林管理は、世界で最も高い持続可能性基準のいくつかを保証します。 私有林は250万人のアメリカ人の仕事を支えており、米国の木材製品メーカーは、主に農村地域で45万人以上の家族賃金の仕事を直接支えています。

 

林業および木材製品部門は、連邦政府と協力して、アメリカで栽培および製造された木材製品で純ゼロ排出量の建物ポートフォリオを実現することを楽しみにしています。」

 

 

つまり、今まで以上に建材を材木由来のものに置き換え、材木需要を増やすこと、そして、それを海外産材木に頼るのではなく、米国産材木を使用したいという米国材木業界の思惑が働いているようです。

(迷惑な話だ・・・)

 

 

また、米国内の材木を優先して使用するという上記目標を達成するため、あまり日本では知られていない政策ですが、米国は、2021年11月から、カナダの針葉樹木材に対して、18%という高関税を課しました

 

 

winnipeg.ctvnews.ca

 

カナダでの高い需要に加えて、11月に米国によって実施された針葉樹材の新しい18%の関税により、米国のバイヤーは備蓄するようになりました。

 

 

そのため、米国内で、いち早くにカナダ産の材木を買い占める動きがみられました。

 

 

価格上昇の時期からして、今回の第二次ウッドショックの直接的な原因は、この高関税による買い占めが主因であると思われます。

 

むすびに

 

さて、いい加減にしてほしいこの材木先物の上昇は、いつまで続くのでしょうか?

 

 

今回の直接的な原因は、カナダ輸入木材の高関税前後の駆け込み需要増加ですので、それが落ち着けば、ある程度価格はまた下落するかもしれません。

 

 

また、2022年3月までにも早まった米国金利上昇があれば、少しは需要も減る(ピークをすぎる)ため、やはり価格は減少するかもしれません。

 

 

金利上昇のペースが予想よりも早ければ、変動金利で無理して購入した層は、返済額上昇に耐えきれずに、一気に住宅を手放すかもしれませんね。

 

 

 

最終的には、2022年11月中間選挙で、このままインフレが退治できなければ、民主党は悲惨な結果になるでしょう。

 

mainichi.jp

 

 

この方は、早速それを口実に口撃を開始しているようです 笑。

 

 

石油業界大好きな共和党が優勢となれば、カーボンニュートラル政策後退による、材木価格の下落、ならびに、シェールオイル復活などによる原油価格低下となりますので、再来年くらいには建材全体が安くなるかもしれませんね。

 

 

クリーンな政策を進める民主党で、材木価格や原油価格が上がり、オールド業界とのパイプが強い共和党で下がるのは、なんとも皮肉なことですが・・・。

 

 

 

というわけで、来年いっぱいは、しばらく沈静化しそうもありませんね。

 

 

 

開業を目指している身としては、何でも良いので、はやく、目処がつくといいのですが・・・・。

 

 

いっそ、予想を超えて、年4~5回くらいの利上げとかしてくれないかなあ。

 

 

資産の半分がドルの自分にとっては、円安でも円高でもどっちでも良い(円高の方が嬉しい)ので、早くインフレ退治をお願いしたいところです。