【最終結論】 糖質制限食は、健康にわるい!?

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こんにちは、shiro-mameshibaです。

 

今回は、このブログ村でもたびたび話題になる(笑)、『糖質制限ダイエット』の是非についての話題です。

 

 

はたして、糖質制限食は、健康に良いのか、悪いのか?

 

実は、医学的には、すでに結論がついています。

 

 

 イカーボローカーボ、健康に良いのは?

 

糖質の多い食事をイカーボ糖質制限食をローカーボと呼びます。

 

イカーボローカーボ、はたして一体どちらが健康に良いのか?

 

 

この炭水化物と生命予後について、25年にわたって研究した論文が、2018年Lancetに掲載されました。

 

以下、原文リンクです。

Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis

 

 

言うまでもありませんが、Lancetは世界で最も権威があり、また掲載される論文の質も非常に高い医学ジャーナルの一つです。

 

万が一にも、このジャーナルに論文が掲載された場合には、それだけで医師として一生一目置かれる存在になれるくらいです(笑)。

 

イカーボ vs.ローカーボ論争に幕?

 

この論文の内容を、日本語で要約した記事を紹介いたします。 

 

【背景】

食事中炭水化物量に関する「low-carb/high-carb」論争には収束が必要である。Brigham and Women's HospitalのSolomonらは、ARIC study参加者15,428名のデータをもとにこの問題を検証した。一次アウトカムは全死因死亡であり、炭水化物からの摂取エネルギー量と全死因死亡との関連を検討した。さらに、ARIC結果と前向7研究のメタ解析結果を統合した解析も実施した。また、植物/動物由来のタンパク質・脂質のどちらが死亡率に影響を与えるのかも検証した。

【結論】

フォローアップ期間中央値25年で、ARICコホートでは、多因子調整後炭水化物由来エネルギー量と死亡率の関係はU型であり、炭水化物からのエネルギーが全エネルギーの50~55%の場合に死亡率が最も低かった。全コホートのメタ解析でも、炭水化物からのエネルギー量が40%未満または70%以上の場合の死亡率上昇を確認した(pooled hazard ratio: 1.20)。しかし、この関連は栄養素の由来に左右され、炭水化物を動物由来タンパク質・脂質に変えると死亡率は上昇する一方、植物由来に変えると死亡率は低下した(0.82)。

【評価】

ハーバードの注意深い検証により、「low-carb/high-carb」論争に「中庸がよい、ただし菜食気味で」という結論を提示した。地中海食と和食との間近辺がグローバルな推奨となる可能性がある(https://silex-transl.com/ghr/meddiet/)。

メディカルオンライン 海外ジャーナルレビューより引用)

 

結論の解説

 

上記の論文を簡単にまとめると、

 

炭水化物からのエネルギーが全エネルギーの50~55%の場合に死亡率が最も低かった

炭水化物からのエネルギー量が40%未満または70%以上の場合の死亡率上昇を確認した。

③(糖質エネルギーは)中庸がよい、ただし菜食気味で。

 

と結論付けられています。

 

 

つまり、炭水化物の取りすぎも少なすぎも健康に悪い、ということですね。

 

炭水化物エネルギー摂取率と死亡率の相関関係

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上記論文より 炭水化物エネルギー摂取率と死亡率の相関関係)

 

 

上図は、炭水化物エネルギー摂取率と死亡率の相関関係についてまとめたものです。

 

横軸が、全エネルギーに占める炭水化物エネルギー摂取率(%)で、縦軸が、死亡率のHazard ratio(相対危険度)を示しています。

 

つまり、死亡率のHazard ratioが高いほど、生命予後が悪いことを示しています。

 

上図では、とてもきれいなU字型をしてしていることがわかるかと思います。

 

一番Hazard ratioが低いのが、炭水化物エネルギー摂取率が50~55%の群です。

 

炭水化物エネルギー摂取率がそれより高くても低くても、Hazard ratioが上昇します。

 

また、極端な低炭水化物食炭水化物エネルギー摂取率<30%)では、Hazard ratioが1.3以上に上昇していることがわかります。

 

 

つまり、極端な低炭水化物食は、とても死亡率が上がります。

 

 

むすびに

 

この結論は、あくまで生命予後(死亡率)に着目した論文であり、それ以上でも以下でもありません。

 

現実問題として、低炭水化物ダイエットが痩せることは確かなので、飢餓感を感じずに成功しやすいダイエット方法としては、有効であることは確かです。

 

 

ただし、健康には悪いですよ、ということです。

 

 

それを理解した上で、ダイエットの方法として自らの意思で選択するのは、私はありだと思います。

 

ただし、低炭水化物ダイエットで肉をたくさん食べるのが体に良い、という意見に対しては、現時点で、医学的には間違っていることが既に証明されていることは、覚えておいてほしいな、とshiro-mameshibaは思います。