マンション管理費は、火災保険込みで、実は超お得だった話。


こんにちは、shiro-mameshibaです。

 

 

さて、クリニック開業と同時並行で、新築マンション購入も進めるという荒行の最中ですが、マンションを購入するに当たり、火災保険の検討を始めました。

 

 

そこで初めて知ったのですが(遅い)、マンションの火災保険は、専有部分のみでよく、共用部分の火災保険は管理費の中に含まれている(物件によっては修繕積立金、という驚愕の事実を知りました!

 

 

そんな基本的なことも、マンションを購入するまで知らなかったのですが(笑)、これ、実は超お得です。

 

 

 

マンションの専有部分と共有部分

 

 

マンションには『専有部分』と『共有部分』あります。

 

 

専有部分・・・お部屋の『壁より中』に含まれる部分のみ。

 

共有部分・・・お部屋の『壁と壁の外』全て。壁、柱、配管、窓、共有設備すべて含む。

 

 

共有部分とは言いますが、そのマンションを購入した方は、お部屋の面積割分の権利を持っています。

 

 

そのため、個人が所有しているマンションの評価額は、専有部分+共有部分の合計金額となります。

 

 

評価額の割合

 

通常、分譲マンションの販売時の専有面積は、壁芯面積(へきしんめんせき;『壁や柱の中心』から内側の面積。)で表示されますが、火災保険の場合は、内法面積(うちのりめんせき;『壁』より内側の面積。壁紙は専有面積に含まれる。)を保障対象としています。

 

 

保障されるのは、フルリフォームした時の変更可能部分のみというと、分かりやすいかもしれません。

 

 

柱や壁、ベランダ、外壁、意外なところでは窓も、共有部分であり、個人で加入する火災保険の対象ではありません。

 

 

さて、マンションの評価額の割合(内法面積での割合)は、専有部分:共有部分=40%:60%が一般的です。

 

 

評価額2000万円の分譲マンション

 

つまり、評価額2000万円の分譲マンションがあった場合、専有部分評価額は800万円共有部分評価額は1200万円となります。

 

 

意外なほどに、専有部分の評価額が低くてびっくりしませんか?

 

 

 

自分はとてもびっくりしました(笑)

 

 

 

そして、個人が加入する火災保険(+地震保険)は、この専有部分評価額800万円分だけで良いのです。

 

 

残りの共有部分評価額1200万円分の火災保険(+地震保険)は、マンションの管理組合が加入しており、その保険金額はマンション管理費に含まれているのです。

 

 

 

ご存知でしたか?

 

 

自分は、全く知りませんでした。

 

 

マンションは風災・雹災・水災は加入の必要なし!

 

 

個人では、共有部分評価額分の火災保険に加入しなくて良い、ということは、とても大きな意味を持ちます。

 

 

火災保険には、以下のようなオプション加入が可能です。

 

 

風災・雹災・・・台風などの風災、雹(ひょう)災、または豪雪などの雪災で建物や家財に損害が生じた場合に保険金が支払われる保障。

 

水災・・・台風・暴風雨・豪雨・融雪洪水・高潮・土砂崩れ・落石などの水災が原因で、建物や家財に損害が生じた場合に保険金が支払われる保障。※津波地震保険です。

 

 

しかし、風災・雹災で傷つくのは、共有部分である外壁、窓ですので、通常の構造であれば、専有部分が損害される可能性はかなり低いと考えられます(割れた窓をしばらく放置して、部屋の中まで損傷した、などのレアケース除く)。

 

 

また、水災というと、武蔵小杉のタワーマンションの水害が記憶に新しいところですが、被害を受けたのは1階以下の部分のみで、2階以上では直接的な部屋の水災被害はありませんでした。

 

 

 

つまり、一般的なマンションでは、風災・雹災・水災のオプションを付ける必要がないのです!

 

 

 

ここが、一軒家を購入した場合と、分譲マンションの違いです。

 

 

 

一軒家の火災保険では、幅広く保障をつけようと考えるのならば、当然、外壁、窓も、家全体が自分の専有部分ですので、風災・雹災・水災のオプションをつけなければならず、保険価格が上がってしまうのです。

 

 

分譲マンション VS 一軒家

 

ここで、同じ評価額の分譲マンションと、一軒家を購入した際の、火災保険の加入範囲を確認してみましょう。

 

 

どちらも、評価額2000万円します。

 

 

分譲マンション・・・専有部分(評価額の40%)のみで保障額800万円分

 

壁より中の分のみ。風災・雹災・水災のオプション加入不要。鉄筋コンクリート造。平均66.0㎡(2020年)

 

 

一軒家・・・家全体で保障額2000万円分

 

家全体加入。風災・雹災・水災のオプション加入も必要。多くは木造。建売で平均101.1㎡(2020年)

 

 

 

となります。

 

 

つまり、個人が直接的に支払う火災保険は、一軒家に比べて、マンションの方がずっと評価額が安く済むのです。

 

 

 

シミュレーション

 

実際に火災保険のシミュレーションしてみましょう。なお、火災保険は5年分を一括で支払いとすることが多いので、表示されている保険料は全て5年分の合計額です。

 

 

ソニー損保が見やすいので、東京都のマンションと、一軒家で比較してみます。

 

 

分譲マンション 東京都 66㎡ 鉄筋コンクリート造(M構造) 補償額800万円 

 



地震保険  あり(建物、家財) 400万円

家財保険  300万円

免震    なし

耐震等級  2(割引率30%)

風災・雹災 なし

水災    なし

盗難    あり(建物、家財)

免責    0円

水濡    あり(建物、家財)

破損    あり(建物、家財)

類焼    あり

 

計 67,787円/5年

 

一軒家 東京都 90㎡ 木造・準耐火物(T構造) 補償額2000万円

 

地震保険  あり(建物、家財) 1000万円

家財保険  300万円

免震    なし

耐震等級  2(割引率30%)

風災・雹災 あり(建物、家財)

水災    あり(建物、家財)

盗難    あり(建物、家財)

免責    0円

水濡    あり(建物、家財)

破損    あり(建物、家財)

類焼    あり

 

計 187,848円/5年

 

 

(※建売で、全国平均の101㎡とすると、保障額が最低2200万円~となってしまい、比較できませんので、全体の評価額を合わせるために、少し小さめに90㎡としています。)

 

 

一軒家とマンションでは、120,061円/5年もの火災保険料の差額がかかってきます。

 

一軒家では、風災・雹災・水災オプションも追加したため、その分も保険料が高くなってしまいました。

 

差額120,061円/5年

 

120,061円/5年=24,012.2円/年=2,001円/月となります。

 

 

 

これが、マンション専有部分と、一軒家にかかる火災保険料の差額です。

 

 

 

共通部分の火災保険料は管理費に含まれる

 

 

もちろん、マンション共有部分にかかる火災保険料が無料、というわけでは決してありません。

 

 

その差額分は、マンションの管理費の中に含まれています。

 

 

ですので、共有部分の火災保険料についても、結果的には個人が支払っていることには違いありませんが、約2,000円分の火災保険料が、管理費に含まれている、と考えると、お得に感じませんか?

 

 

インターネット接続料金も格安

 

また、多くのマンションでは、インターネット接続料金も格安で利用することができます。

 

 

今回、私が購入したマンションの、インターネット接続料金は1,200円/月です。

 

 

一軒家の、インターネット接続料金(フレッツ光ネクスト ギガファミリースマートタイプ)が5,390円+1,320円(BIGLOBEプロバイダー料金)=6,710円/月です。

 

 

マンションと一軒家の差額は、5,510円/月となります。

 

 

 

インターネット接続料金は、一般的に管理費には含まれませんが、格安にネットに接続できるのは、マンションに住むことのメリットと言えるでしょう。

 

 

 

マンション管理費は、実はかなり安い

 

これら、火災保険料とインターネット接続料金の差額を、マンションのメリットとして、仮に管理費から引いてみると、マンションの管理費(実質的な)は、実はとても安いことがわかります。

 

 

マンション管理費の全国平均は約16,000円(関東)です。

 

 

これらから、火災保険料とインターネット接続料金の差額を引くと、

 

 

管理費16,000円-火災保険料2,001円-ネット接続費5,510円=8,489円/月

 

 

 

つまり、実質的な(一軒家とマンションの維持費の違いとしての)管理費は、わずか8,500円/月程度であることがわかります。

 

 

この中に、コンシェルジュ人件費宅配便代理受け取り清掃代共用部電気代24時間ゴミ捨て可能な対応植生管理、(雪国では)除雪費共用部分の利用権(ゲストルームやキッズスペース、ラウンジなど)まで、すべてを含んでいます。

 

 

おまけに、ごみ捨て当番になって、朝早くにゴミステーションを開設する必要も、町内会に参加する必要も、地域の清掃活動に参加する義務もありません。

 

 

 

こう考えると、マンションの管理費(実質的な維持費)は、一軒家に比べて、遥かに安いように感じないでしょうか?

 

 

 

少なくても、もし私が一軒家を購入していたとしても、上記の維持費を8,500円/月で利用できるなら、喜んで支払うことでしょう。

 

 

 

もちろん、固定資産税や減価償却期間の違いなどもありますので、一概には言えませんことをお断りします。今回は複雑になりすぎるため、この点は割愛します。

 

 

 

なお、今回は特に記載していませんが、修繕費は、マンションだろうと一軒家だろうと、最終的には同額程度かかります。

 

 

定期的に積み立てるか、必要時に後で一括で支払わなくてはならなくなるかの違いに過ぎません。

 

 

地震保険地域間格差

 

さて、今回の主題からは少しずれますが、火災保険料(地震保険)を調べる中で、実は、えげつないほどの保険料の地方間格差があることが分かりました。

 

三井住友海上 地震保険改定 https://www.ms-ins.com/pdf/information/product/kasai/20221001_jishin_kaitei/jishin_kaitei.pdf

 

 

上記表は、マンション(耐火構造)と、木造一戸建て(非耐火構造)の、地震保険保険料の地域差を示したものです(保険期間1年間、保険金額1,000万円あたり)。

 

 

地震保険の保険料は、契約する火災保険会社によらず、どこも一定です。

 

 

また、地震保険の補償額は、火災保険の補償額の半額までになります(火災保険保障額1,000万円なら、地震保険の補償額は500万円まで)。

 

 

上記表を見ますと、最安地域のマンション(耐火構造)の地震保険料が7,300円/年であるのに対して、最高地域の木造一戸建て(非耐火構造)の地震保険料が41,100円/年と、実に33,800円/年もの差額が生じています。

 

 

また、前述の通り、マンションでは専有部分(40%)しか火災保険(地震保険)の個人負担がない一方、木造一戸建ては、全て個人が負担しなければならないため、建物の評価額が同じでも、実際に負担する保険料の差額は、更に広がる、ということになります。

 

 

 

また、同じ関東でも、地盤が安定している群馬、栃木に対して、埼玉、茨木、千葉、東京の地震保険料が3~4倍と、非常に高額になっていることも驚愕しました。

 

 

 

それだけ、これらの地域の震災リスクが高い、と言うことなのでしょうが、具体的に数値として見せられると、地震保険料の高い地域に居住することは、保険料だけでなく、災害リスクの面で非常に怖いな、と考えさせられました・・・。

 

 

ちなみに、最安地域(栃木県)のマンション(耐火構造)で、先ほどと同様の条件(66㎡ 鉄筋コンクリート造(M構造) 補償額800万円)で火災保険を見積もりすると、わずか34,236円/5年と、非常にお安くなります(東京の半額程度)。

 

 

 

火災保険(地震保険)がかなり安く済むというのも、地方のマンションに生活することのメリットの一つとして考えられますね。

 

 

むすびに

 

本題に戻りますと、マンションの管理費(維持費)は、そこに含まれる共用部の火災保険料や、インターネット接続料金を考えると、実は非常に安い、ということです。

 

 

少なくても、一軒家に生活していたとしても、月8,500円程度で、マンションと同じ管理(コンシェルジュ人件費、宅配便代理受け取り、清掃代、共用部電気代、24時間ゴミ捨て可能な対応、植生管理、(雪国では)除雪費、共用部分の利用権(ゲストルームやキッズスペース、ラウンジなど))が利用できるのならば、喜んで支払うでしょう。

 

 

 

むしろ、一軒家でも、地域ごとに、24時間ゴミ捨て可能なステーションだけでも、月3,000円程度で行ってくれれば、かなり流行ると思うのですが、誰か、新しいビジネスとして始めれくれませんかね(笑)?