【9月1日】対中関税第4段は発動されるのか?

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こんにちは、shiro-mameshibaです。

 

先日のジャクソンホール発言前のように、米中貿易戦争の先行きが見通せない中、市場は膠着状態となっていますね。

 

さて、9月1日トランプ大統領は宣言どおりに対中追加関税第4段を発動させるのでしょうか?

 

私は、発動されないと思います。

 

 

対中追加関税第4段の流れ

 

さて、ここまでの米中貿易協議を振り返ります。

 

全く進まない(進むはずがない)米中貿易協議にしびれをきたしたトランプ大統領は米中貿易戦争の休戦協定を破り、2019年8月1日、突如、 対中追加関税第4段の発動を宣言しました。

 

その後、2019年8月23日、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長発言に被せる形で、中国から、対中追加関税第4段に対する報復関税の報道がなされ、市場は動揺し、株価は一時-1%程度下落しました。

 

同日、パウエルFRB議長のハト派発言を受け、株価は一旦もとどおりに回復しました。

 

しかし、中国の報復関税には、トランプ支持層の主要産業である米国産大豆自動車が含まれていたため、これに激怒したトランプ大統領は即座に対中追加関税第4段の関税率引き上げツイートを宣言し、予想外の追加関税に動揺した米国市場は-2%程度の大幅下落を来たしました。

 

週明けは、それ以上の下落も上昇もなく、様子見の流れになっています。

 

 

おそらく、9月1日の米国による対中追加関税第4段の詳細が明らかになるまでは、このまま大きな変動なく経過すると思われます。

 

対中関税第4段 3つのストーリー

 

以上の経過から、今後の対中関税第4段には、以下の3つのストーリーが予想されます。

 

① 宣言通り、15%の追加関税発動

② 10%の追加関税発動

③ 関税先送り

 

自分は、このストーリーの中では、③関税先送り、が最もあり得るのではないかな、と予想します。

 

私には、世界情勢や経済学的な考察はできませんので、あくまで、トランプ氏個人の視点で、どれが最も有利か、という、心理学的分析からの予想になります。

 

対中関税第4段とそれに対する予想される反応

 

以下に、各プランにおける各方面の反応の個人的予想をまとめてみました。

 

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① 15%の追加関税発動

 

宣言通り、15%の追加関税を発動した場合、9月のFRB利下げは確実なものになるでしょう。

 

しかしその場合、米中貿易戦争の先行きは壊滅的になり、もはや、FRBの多少の利下げでは吸収できないほど、市場に悲観論が広がる可能性が高く、株価は長期的に下落していくと予想します。

 

また、中国による米国報復関税が確実に発動されます。

 

本日、日本貿易振興事業(JETORO)の記事によると、

 

中国の国務院関税税則委員会は8月23日、米国が3,000億ドル相当の中国原産の輸入品に対し、9月1日12月15日、追加関税を賦課することへの報復措置を発表した

 

ことが明らかとなりました。

 

www.jetro.go.jp

 

この記事によると、大豆とうもろこし自動車産業など、報復関税がトランプ支持層を狙い撃ちしていることは明らかです。

 

また、報復関税額は9月1日が5~10%12月15日が5%~25%と、かなり幅をもたせてあるため、もし米国の対中追加関税が15%の場合さらなる報復関税も検討中であることがはっきりと示されています。

 

また、この報道を受けてか、今夜のダウ先物は大幅に下落しているようです。

 

 

もし、このような高関税が実際に行われた場合、トランプ支持層の経済的負担はとても大きなものなります。

 

今後、1年間以上もそのような苦境がトランプ支持層に続けば、もはや、トランプ氏の大統領選再選は非常に困難なものになるでしょう。

 

 

従って、このストーリーはないと私は考えています。

 

② 10%の追加関税発動

 

次は、税率引き上げは行わず、 2019年8月1日当初のトランプ氏の当初の予定通り、追加関税を10%で抑えるストーリーです。

 

この場合にも、9月のFRB利下げは(ほぼ)確実でしょう。

 

また、さらなる税率引き上げが行われないことで、市場は好感し、株価は上昇すると思われます。

 

しかし、この場合にも、中国の報復関税はもともとの予定通りに行われる(15%時よりは報復は弱いとしても)ため、やはりトランプ支持層の負担が大きく、大統領選に悪影響がきたすと考えられます。

 

 

したがって、株価は上がりますが、このストーリーも取りにくいと考えます。

 

③ 関税先送り

 

さて、最後の関税先送りですが、私は、これが一番ありそうと考えます。

 

追加関税がない場合でも、トランプ大統領FRBに圧力をかけ、おそらく多少の利下げは行われるでしょう。

 

市場はこれを好感し、おそらく株価は大幅な上昇となるでしょう。

 

また、対中追加関税がない以上、中国も報復関税を課すことはできません

 

したがって、大統領選への影響も最小限で済むはずです。

 

 

以上から、米国や世界の未来にとって、ではなく、トランプ氏の再選にとって、という視点で考えた場合、関税先送りが最善であると、私は考えます。

 

 

唯一の懸念

 

もし、この関税先送り案に懸念があるとすれば、FRBの利下げが行われない可能性が否定できないという点です。

 

先日のジャクソンホールのシンポジウムにおいて、主催者でもあるカンザスシティ連銀のエスター・ジョージ総裁は以下の発言をしました。

 

Do not feed the bears.

Whether or not central bankers can actually draw any lessons from thisnaturalecosystem , I highly recommend while you’re here that you do not feed the bears and avoid encounters with them while hiking in their territory.

(日本語訳)

熊に餌を与えてはいけない。できるだけ熊に出くわさないようにしましょう

 

予防利下げへけん制?ジャクソンホールで「熊に餌を与えるな」という強烈発言の真意=久保田博幸 | マネーボイス

(引用元:https://www.mag2.com/p/money/750405

 

熊というのは、もちろん、トランプ氏を指しています。

 

つまり、必要性に乏しい利下げ)をトランプ氏)に与えることは、米国にとって有害である、ということを暗に示した発言と考えられます。

 

 

現在、米国の経済指標に直ちにリセッション入りする徴候はありません。

 

つまり、現状、株価を上げてトランプ氏を再選させる以外に、FRBが利下げに動く必要性は乏しいと考えられます。

 

もし、パウエル議長に気骨があり、市場からの圧力に対しても屈せずに、正しい判断を行う事があれば、9月の利下げはなし、それにより、株価は失望して下落、という可能性も否定できません。

 

(ただし、個人的には、パウエル氏のヒヨリ加減を見るに、それはないんじゃないかな、と判断しています。)

 

むすびに

 

というわけで、私は9月1日の関税先送り、株価上昇の流れになると予想しています。

 

株価が安く、円高が進んでいる今夜のうちに、ある程度の金額(200~300万円?)購入するのが良いと考えていますが、怖くてなかなか決断できません・・・(笑)

 

ただし、キレたトランプ氏の行動は予想が付きません。

 

私の予想など、大外れする可能性も十分あります(笑)。

 

 

やっぱり、利下げによる円高だけを狙って、円キャッシュを握りしめる結末になる可能性が結局一番高いかも・・・(笑)。