ポジショントークに注意しよう
ポジショントークを知ろう
現実世界でもネット世界でも、様々な立場、価値観の方がいて、それぞれの立場に沿った発言をします。
それぞれの立場に沿ったこのような発言を、ポジショントークといいます。
その意味では、ポジショントークではない言葉など、この世界にはないといってもよいかもしれません。
たとえば
芸能界の例では、不倫騒動を起こしたベッキーさんに対して、雨上がり決死隊の宮迫氏が、『後輩だから、守るのは当然だろ!』と、一見、芸能界の後輩であるベッキーさんを擁護する旨の発言をしました。
しかし後日、宮迫氏自身も文春砲で不倫騒動を暴露されたように、上記発言をした本当の意図としては、
『自分自身の不倫がバレたときに、厳しく罰せられるような世の中になっては困る!』
という、立場や思惑を隠して発言された、ポジショントークであったことが暴露されてしまいました。(一応、本人は最後まで不倫の事実は否定していることは、氏の名誉のため記しておきます。)
投資の世界におけるポジショントーク
特に、投資の世界におけるポジショントークとは、
ポジショントークとは?
株式市場や為替市場、先物・オプション市場で、
自分のポジションにとって有利な発言をすること。
引用元:大和証券 金融・証券用語解
を意味します。
これは、アナリストや経済学者だけではなく、特段に世論に対して大きな影響力を持たないブログで発信する方たちにも言えることです。
投資ブログをされる方は、大なり小なり投資に資産を投じており、当たり前ですが、自分の資産が減ることを望む人はいませんし、できれば好景気が続いて、右肩上がりに自分の資産が上昇していくことを期待しています。
そのため、ブログには投資の将来性や有望性を記載し、または逆に、投資を始めない人に対して、『情弱』などと蔑んで、馬鹿にしたような記事を書く方もいます。
しかし、投資に絶対はありません。
ブログで、いくら世界経済は絶好調、今後も見通しは明るいといっても、未来をみえる人は誰もいません。
そして、世界レベルの暴落は、楽観的な予想の中で、おおよそ10年ごとに訪れてきたということは歴史的な事実です。
無論、私自身、投資をすることで、ここ数年では利益がプラスに出ていますし、日本の将来性を考えると、数年後にあるという将来的なリセッションを考慮しても、早めに投資をしたほうが良いという立場ですので、投資をしたほうが良い、という見通し自体には異論はありません。
しかし、様々なブログに書かれている記事は、すべて、自分の資産が増えてほしい、といった願望によって選択され、集められた情報だけが掲載されたポジショントークにすぎないことは、必ず意識しておいたほうが良いでしょう。
ポジショントークはあらゆるところに存在する
ポジショントークの価値を考える上で、その判断が難しい理由は、ポジショントークをする人の多くが、自分がポジショントークを発言していることを隠しているからです。
このマスキングは、意識的にも、無意識的にも行われています。
ある意見を主張する発言や記事、ニュースやネット情報を見たときには、発言した人は誰で、どんな立場や経歴の人で、過去にどんな発言や見解をしていて、どんな友人や人とのつながりがあって、この情報には、その人のどんな意図や願いが(時には、発言した本人自身も気づいていない思惑が)込められているのか、ということを、常に考えるようにすることが大切です。
ポジショントーク自体に善悪はありません。
人には様々な立場や価値観があり、その数だけ、見方が異なるのは当然です。
しかし、その情報が、真に自分に有益かどうか、意味があるものなのかどうかを判断しなければなりません。
人はだれしも、信じたいものを信じる傾向がある
Men willingly believe what they wish.
人は喜んで自己の望むものを信じるものだ。
- Julius Caesar (ユリウス・カエサル)
人は、しばしば、自分が望むことを、強く言い切ってくれる人の言葉を信じがちです。
しかし、そこには大きなバイアスがかかっています。
もちろん、投資だけでなく、人生も結婚も職業選択も、誰かの考えや発言をそのまま鵜呑みにせずに自分で考えて、見て、最終的には、自分の判断と責任で選択しましょう。
P.S.
私の母の口癖は、「だって、証券会社の人が勧めたんだもん。」です・・・。