iDeCo編 -受験や婚活に悩む前に、さっさと投資を済ませよう③
こんにちは。
前回の記事の続き③です。
(投資初心者向けの内容になります。お詳しい方はスルーしてください。)
iDeCo開設の視点からみたSBI銀行と楽天銀行の比較(iDeCo編)
前々回の記事で書きましたが、2018年現在、SBI証券のiDeCo口座に限っては、はっきり言ってあまりお勧めできません。
米国株投資の最適解とされる、S&P500やCRSP USトータル・マーケット・インデックスと言った指標(インデックス)に連動する商品の取り扱いがないからです。
そのため、米国株投資で最もお勧めする楽天VTI(全米株式インデックスファンド)が購入できません。
また、米国のみに投資したい場合には、大和₋iFree NYダウ・インデックスしか選択肢がありません。
結論として、iDeCo口座に限っては、楽天証券をお勧めします。
(2018/9/28訂正)
SBI証券のideCo口座でも、S&P500 に連動する商品を含んだ新たなセレクトプランが作成され、2018年11月1日から申し込み可能となったため、訂正いたします。
shiro-mameshiba.hatenablog.com
専門用語がたくさん出てきてわかりにくいと思いますので、一つずつ解説しますね。
投資信託とは
投資信託とは、投資家から集められた資金をもとに、運用のプロが、一定の指標(インデックス)に基づいて投資を行い、利益を投資家に還元する商品のことを意味します。
ここで急に横文字が出てきましたが、インデックスとは、『東証一部に上場している全銘柄の合計時価総額』と同じ動きをするTOPIXや、『東証一部に上場している企業から、選ばれた225銘柄の平均株価』を指標とする日経平均株価など、ある一定の株式市場の中の、ある一定の企業群の株価を色々な方法で集計して反映した値のことです。
何を言っているか分からないと思いますので、ごくごく簡単に言うと、ある一定の範囲の国の株式市場(日本だけ、米国だけ、または世界全体、先進国、新興国等)で、その株式市場の一定分野の企業群(市場全体、IT企業群、一定規模以上の企業群、高配当企業等)の株価を反映したものです。
どのインデックスを指標とするかで、様々な商品が存在します。
異なる企業が同じインデックスを指標とした投資信託を販売することもあり、その場合は手数料の違いが出てくることがありますが、投資のリターンとしては理論的にはほぼ同じ値動きをすることになります。(たまに、ミスして違いが出てくることがあり、これをトラッキングエラーと呼びます。トラッキングエラーが大きいと、「この下手くそ!」と投資家達が怒りますので、次第に人気がない商品となります。)
このインデックスに連動する投資信託を購入して投資することを、一般的に『インデックス投資』や『パッシブ投資』と呼びます。
こつこつと積み立てて投資していくことが多いため、つみたて投資などと呼ばれることもあります。
つみたてNISAとiDeCoは、この投資信託のみに投資することができます。個別の企業の株は買えません。
米国の代表的な指標(インデックス)
S&P500とは、アメリカの企業500社から構成されるインデックスです。この500銘柄で、アメリカの時価総額比率約80%に投資することができます。eMAXIS slim 米国株式(S&P500)(※)などが含まれます。
また、CRSP USトータル・マーケット・インデックスとは、米国株式市場に上場する大・中・小型株式のほぼすべてに投資することができるインデックスで、米国株式時価総額の約100%をカバーしています。
楽天VTIなどが含まれます。多くの米国株ブログで、最もお勧めとされる商品です。
S&P500とCRSP USトータル・マーケット・インデックスは、ともにアメリカ1国のみを指標としたインデックスで、どちらも優れた指標です。
どちらがより優れているかという点についてはあまり深く考えなくてよいです。
長期的にみても、パフォーマンスはおそらく大きくは変わらないでしょう。このどちらかの指標に連動する商品なら、長期投資に最も適していると考えられます。
※eMAXIS slim 米国株式(S&P500)は販売されたばかりで、2018年8月現在、マネックス証券や松井証券のiDeCoではまだ取り扱いありませんが、今後、取り扱われると思われますので、その場合には、マネックス証券や松井証券もiDeCo口座の選択肢に入れてよいと思います。
(2018/9/28訂正)
SBI証券のideCo口座で、eMAXIS slim 米国株式(S&P500)を含んだ新たなセレクトプランが作成され、2018年11月1日から申し込み可能となったため、訂正いたします。
iDeCo口座で買える米国1国投資信託
楽天証券のiDeCoで、アメリカ1国に投資したい場合、S&P500に連動した商品はないので、CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動する楽天VTIを買うことになります。
それに対して、SBI証券のiDeCo口座では、S&P500とCRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動する商品がないため、アメリカ1国に投資したい場合、購入できる商品は大和₋iFree NYダウ・インデックスとなり、こちらはNYダウ(ダウ工業株30種平均株価)というインデックスに連動しています。
NYダウは日々の経済ニュースでも必ず報道される有名な指標なので、どなたでも耳にしたことくらいはあると思いますが、米国株式市場の代表的な30社のみに投資するインデックスであるため、S&P500やCRSP USトータル・マーケット・インデックスよりも分散が弱く、1銘柄あたりの変動を強く受けてしまう可能性があります。
しかし、過去のパフォーマンスについては、実はどれもあまり大きくは変わりありません。
むしろ、ダウ平均のリターンがS&P500を上回っている時期もあります。
出典:ADVISER PERSPECTEVE
The S&P 500, Dow and Nasdaq Since Their 2000 Highs - dshort - Advisor Perspectives
緑:ダウ平均、青:S&P500、赤:NASDAQ
2000年からの期間で見ると、ダウ平均(緑)のパフォーマンスはS&P500(青)を上回っていることがわかります。
赤字のインデックスはNASDAQ(ナスダック総合指数)と言って、マイクロソフトやグーグル等のハイテク・ネット関連ベンチャー企業3000社以上が含まれるインデックスです。
2000年のITバブルには、このNASDAQに含まれるIT企業のバブルがはじけて株価が急落したため、NASDAQは実に-78.4%の大暴落を来しました。
この時に、ダウ平均よりもS&P500の方がより大きく影響を受けているため、下落率がより大きくなっていることがわかります。
そのため、2000~2018年現在までの期間に限っては、ダウ平均のパフォーマンスはS&P500を上回っています。
もし、この時期に一気に投資をしていた方がいたとしたら、S&P500よりもダウ平均に投資していた方が、2018年現在のパフォーマンスは良かったことになります。
2018年現在、FANGと呼ばれるハイテクIT銘柄の成長が目覚ましく、特にここ数年は、その影響をより大きく受けるS&P500の方が上昇率が高いのですが、もし万一、近いうちにITバブルのような大暴落が来たとしたら、つみたてNISAの20年という非課税期間では、結果的に、S&P500よりもダウ平均に投資していた方が儲かるということはあり得ると思います。
しかし、iDeCoは最長で40年近く引き出し不可能な超長期投資となりますので、分散の弱いNYダウでは長期的に不安が残ります。
そのため、より分散が効いている S&P500やCRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動した投資信託の方がやはり安心だと、私は考えます。
私はよく下調べをせずにうっかりNISAと同じくSBI証券のiDeCo口座を開設してしまったため、現在、iDeCo口座では大和₋iFree NYダウ・インデックスを100%購入しています。決してパフォーマンスは悪くはないのですが、前述の理由から、楽天証券に移管するかどうか悩んでいます・・・(苦笑)。
皆さんは同じ失敗をしないでください。
各証券iDeCo口座のメリット、デメリット
一応、各証券iDeCo口座のメリット、デメリットについて記載します。
メリット
・ひふみ年金、ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックスといった、人気のある商品が選べる。
・(2018/11/1~セレクトプランで)eMAXIS slim 米国株式(S&P500)が選べる
デメリット
1.取扱商品がいまいち
(楽天VT・VTIは買えない。米国のみに投資したい場合、大和₋iFree NYダウ・インデックスしか選択肢がなく、分散が弱い印象がある。)
2.NISAと別のサイトで管理が必要。
楽天銀行・証券
メリット
楽天証券では、つみたてNISAとiDeCoを一つのサイトで確認できます。
(※楽天証券でiDeCo口座を持っていないため、実際に確認していません。すいません。)
デメリット
・特になし
iDeCo口座と銀行との連携
また、前回も述べたことですが、NISA口座は銀行から証券会社への資金の移動が必要ですが、企業に勤めている方のiDeCoでは給与引き落としになります。
しかし、主婦や自営業の方では、やはりiDeCo口座でも銀行からの引き落としが必要になります。
その際の引き落とし銀行は、都市銀行、地方銀行、ゆうちょ銀行は使用できますが、住信SBI銀行は使用できませんのでご注意ください(楽天銀行は使用できます)。
(2018/10/22訂正)
2018年9月1日から住信SBI銀行もiDeCo口座の口座振替に対応しましたので、上記の記事内容の訂正と修正をさせていただきます。
どの銀行を開設するかは、以前の記事をご参照ください。
shiro-mameshiba.hatenablog.com
結論
(2018/10/22訂正)
つみたてNISA、iDeCoを新しく始める方は、銀行口座、NISA口座、iDeCo口座の3つの開設先のプランとして
または
のいずれかをお勧めします。
SBI証券を開設したい方はこちら⇓
楽天銀行を開設したい方はこちら⇓
以上で、開設銀行、NISA口座、iDeCo口座の開き方についての説明を終わります。
それで実際、投資でいくらもうけられるのか?
この開設準備だけさっさと済ませて、NISA+iDeCoに毎月積立の指示だけしていれば、一般の生活レベルで満足できる方であればおそらくは、定年退職後の生活に不安はなくなると思われます。
具体的には、NISA+iDeCoに毎月合計5万円ずつ投資できれば、40年後、貯金では、元手の2400万円しか残りませんが(利息は無視)、投資では、40年後には約10,000万円が手元に残る計算になります。
(リターン6%/年で計算)
(楽天証券 積立簡単シミュレーションを利用。税は考えず。)
夫婦2人で行えば、約2億円です。
これが、複利の力です。
2億円あれば、年6% のリターンで、1200万円/年(税抜)の収入が毎年入ってくるのと同じです。
インフレが今後進んだとしても、通常の生活ならば、まず問題ないでしょう。
※ただし、上記計算は過去100年のダウ平均リターン(6.8%/年)をもとにしています。(少し控えめに、6%リターンで計算。)
将来的に、リターンはもう少し下がると予想されています。それでも貯金よりは良いと思います。
また、20年後につみたてNISAに代わる制度がなければ、20年後からのつみたてNISAに投資していた分には税がかかります。しかし、たぶんですが、つみたてNISAと同じような制度がまた作られると思っています。
未来のための投資であって、投資のための今ではないよ
しかし、絶対に勘違いしてはいけないのは、投資は手段であって、目的ではありません。
今が幸せで、もしくは、これからいつか幸せになって、老後も、その幸せがずっと続きますように。
ということを前提に投資をするのであって、
今が幸せではなく、その現実から目をそらすために投資だけに執着して、そのまま何も変わらないまま老後を迎えてしまったとしたら、経済的に困窮する下流老人になるよりも、もっとずっと、悲惨な未来が待っているかもしれません。
この記事をご覧になった方に、少しでも何か感じていただけたら幸いです。
次回で、『受験や婚活に悩む前に、さっさと投資を済ませよう』シリーズの最後です。
当ブログでお勧めする、実際の投資商品(特に楽天VTI)についてご説明して、投資の準備についてのお話はおしまいです。
(当ブログは、個人的見解によるものであり、投資によるリターンを約束するものではありません。最終的な判断は、各自が責任をもって、自分の判断で行って頂けますよう、よろしくお願いします。)
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