借金1億円!!コロナ禍の小児科開業は、まさに究極の逆張り投資!?
こんにちは、shiro-mameshibaです。
早いもので、今年ももう、残す所、あと僅か数日になりました。
そして、去年のちょうど今頃から、勤務医を辞め、開業するかどうかを悩み始めた頃でした。
あれから1年
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1年前の自分の記載を改めて見てみますと、
まあ、これも投資の格言、『よく分からないものには投資をするな』、にならい、どちらの選択をするにしても、開業するまでの方法やリスクなどについて、もっともっと調べてから決断を下そうと考えています。
とまあ、今読んでも、まさにその通りだなと思う文章を書いていました(笑)
この記載の通り、この1年間は、仕事の傍ら、こっそりと(同僚にばれないように)、開業の本を読み漁り、税理士やコンサルに相談に行ったり、最近に開業をされた先生方にアドバイスを頂いたりと、まさに、息つく暇もない、慌ただしい1年間でした。
これまで、経営や税制のことなどあまり深く知らずに生きておりましたので、この1年で学んだ新たな知識は、とても新鮮でしたし、視野をこれまでよりは広くすることが出来たと思います。
そんな中、想像もしていなかった、新型コロナウイルス大流行という、ここ百年での人類最大かもしれない大禍に襲われてしまいました。
いまの小児科医療は、株式市場でいう大暴落の真っただ中
新型コロナウイルスの感染拡大で医療機関の経営がどの程度影響を受けているか日本医師会が調査したところ、診療所の小児科の保険収入が去年と比べて4割近く減ったことがわかりました。
このコロナ騒ぎの影響で、全世界で徹底した感染症対策が取られたため、コロナ以外の感染症も大激減し、いつもは感染症のお子さんで溢れていた小児科外来は、めっきり受診者数が激減しました。
保険収入でいうと、全体の約40%が減少したことになります。
これは、株式市場で言えば、手持ち株の40%も株価が減少した、大暴落の真っ最中です。
もちろん、院長、職員の人件費や、土地建物、医療機器のリース代は変わりませんので、小児科クリニックは、まさに存亡の危機に瀕しています。
ここで、あえて開業することは、大暴落中に集中投資を行うかの如く、究極の逆張り投資と言えるでしょう。
逆張り投資家の血が騒ぎます。
インデックス投資家としては、長期の分散投資をしたいところです。
問題は、株式市場であれば、いつかは株価は元通りになるでしょうが、小児科外来数は、果たして元通りになるかどうかが確信が持てない、ということです。
少子化加速のダブルショック
また、ダブルショックなことに、このコロナ禍の中で、安心して出産ができないという、当然の不安と、少子化の中で児童手当の削減などの逆行性の阿呆な政策しか提言出来ない絶望的に能力の低い内閣のために、少子化が急速に加速し、2021年度の出生数は、予想より10年早く、80万人を割るかもしれないとされています。
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こんな状況で開業しようとすることなど、GEをナンピン買いするかのよう、現実が見えていないと思われるかもしれません。
ワクチンの効果が出るまで4~5年?
感染者がほとんど現れなくなるなど社会的に効果が実感できるようになるまでには最短でも4、5年はかかるとして「すぐに今の生活スタイルが不要になるとは考えづらい」との見解を示した。
この予想に従えば、今後数年以上、今の患者数減少が続き、小児科保険診療は壊滅的状態になる可能性が高いです。
開業に1億の借金
東京など大都市で開業する場合は、テナント開業が多いためそこまでは行かないと思いますが、地方都市での開業では、クリニックを建築して開業する戸立て開業が一般的です。
土地を購入するかどうかでまた異なりますが、土地はリースするとしても、クリニック建物代が6,000-8,000万円、医療機器、運転資金を合わせて、おおよそ1億円の借り入れが必要となりそうです。
もし土地を購入するとすると、駐車場が必要ですので、おおよそ300坪程度で、さらにもう1億円が必要となるでしょう。
こんな大金、もちろん手元にありませんので、銀行からお借りすることになります。
金額を聞いただけで、めまいがしてきて、足がガクガク震え、卒倒しかけてしまいます(笑)
このまま雇われの勤務医であれば、こんなリスクは一切ないでしょう。
このコロナ禍の真っ最中に、我ながら、GEをナンピン買いするかのよう、本当にアホなのかと思えてきてしまいます。
希望はある
ただし、希望が全く無いわけではありません。
株価大暴落では、多くの人が、手持ちの株を投げ売る現象が見られます。
同様に、このコロナ禍の中では、おそらく、多くの小児科開業医の先生が、廃院を考えていることでしょう。
特に、私が開業を検討している地域では、小児科開業医の先生方は、なんと、最年少でも60歳代後半です。
どんなに頑張っても、開業を続けられるのは、あと5年程度でしょう。
おそらく、すでに借金もすべて返済しておりますので、引き時を考えているご年齢だと思われます。
自分のような30代の医師が近隣で開業するとなれば、おそらく、自らが閉院することで、懸念されている学校医や園医などをこちらに任せて、安心して閉院される可能性が高いでしょう。
仮に、地域全体の小児科診療報酬が40%下がったとしても、小児科クリニック数も40%程度減少するならば、1医院当たりの収入は、コロナ前と変わらなくなります。
また、この12月から、(コロナ禍だけの特別措置ですが)6歳未満の乳幼児診療に100点(1,000円分)が加算可能とされましたので、ようやく国も、小児科救済に動いてくれるようになりました(まだまだ不足ですが)。
そして、5年程度して、世界に平穏が戻れば、そこから一気に患者数(一般感染症)が激増し、コロナ前よりもむしろ、売上増加が予想されます。
つまり、今は株価大暴落中の種まき期間と同様で、このコロナ禍の中にあえて火中の栗を取ることで、数年後以降の株価大暴騰、患者数激増の恩恵を受けることが出来る可能性が高いと考えています。
投資と同じで、今あえて、リスクを取ることで、将来の果実をもぎ取ることが出来るのではないかと考えます。
むすびに
でも、やっぱり借金1億円はこわいです・・・(笑)
その怖さは、けっして忘れてはいけないものだと思います。
自分だけではなく、家族にとっても大切な決断ですからね、
よく考えたいなと思います。
もちろん、開業するのは、転勤をせずに済む、家族と要られる時間が増える、金銭的なメリットが有るなどという点も重要ですが、それだけではありません。
このままでは、本当に、あと数年で地域の小児科クリニックが消滅してしまい、お子さんのいらっしゃるご家庭が地域で安心して生活できなくなってしまう、また、自分の学んだ専門分野の知識を活かし、地域小児医療に微力ながら貢献したい、という願いもあります。
最終的には、自分にとって、本当に意義ある生き方はどちらなのか、死ぬときに満足して死ねるのは、どちらの決断なのか。
自分の責任で、自分の人生を決めたいな。
と、昨年同様、年の瀬に物思いの当直の夜となりました(笑)。
来年こそは、皆が平和に暮らせる日常が暮らせますよう、心から願っています。
それでは皆様、良いお年を!